境内の中で一人寝ていた彼女は自分の能力とは違う当然の体の浮遊感と畳の上とは違う感触、直接あたる強い光に目を開けた。
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いつもより強く照り付けてくる太陽の下で彼女は大きな岩の上で大の字になっていた。起き上がり周りを見渡すと幻想郷には存在するはずのない海という存在に彼女は少し目を見開く。何百年も前に見たその青く輝く波に懐かしさを感じつつここはあの幻想郷ではない別の世界だと分かってしまった。
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彼女はここに飛ばされる直前まで何も変わらない日常を送っていたはずなのだ。それなのにどうして…、ただの一般人だったら発狂しかねないこの状況だったが当の本人は別段焦ることも慌てることもない。「うだうだ考えてても仕方ないか…」それだけ呟くとレイナは立ち上がると大岩の端へと歩いた。
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崖のようになっている岩の端に辿り着くと彼女は軽くジャンプをするかのように海へと体をかたむけた。普通ならそのまま海に落ちるはずが彼女の体は重力を無視して上へ上へと宙を舞う。それが彼女の能力「空を飛ぶ程度の能力」だった。
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雲に近づいたところでレイナは止まった。ぐるりと周りを見渡すがあるのは海、海、海。周りに島ぐらいはあるかもしれないと思いここまで上ってきたがどうやら無駄だったらしい。大袈裟に肩を落とし適当に移動して探すか、と思った時彼女の耳に空気を裂くような鳴き声が聞こえた。
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其の声の方へ顔を向けると、遠くの方から異常なスピードでこちらへと向かってくる一羽の鳥がいた。その大きさは彼女よりも一回りも2回りも大きくその獰猛な口からはギラギラと尖った牙が見え隠れした。「まさかこの世界で初めて会ったのがこんな鳥類だなんて…。しかも私を餌だと思ってるみたいだし」スピードを緩めず口を開ける鳥に彼女はため息をついた。
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こちらに襲いかかってくる鳥を軽々と躱すと彼女は自身の袖の中に手を入れ札を1枚取りだし、またこちらへと向かってくる取りに向かって素早く投げた。「霊符「夢想妙珠」」1枚の札は扇状に5つ別れそれぞれ青、赤、緑に光る弾に変わるとその鳥へと襲いかかった。
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突然見たこともない弾が自分を襲ってくる恐怖に野生の勘が働いたのか彼女のいる場所とは真逆へと逃げていく。しかし彼女が放った霊力弾は右へ左へと逃げていく鳥を追いかけ、そして最後には被弾した。
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そのまま海へと落ちていく鳥を見ながらこの世界でも自分の能力は絶大であると分かり、これだったら1人でも生きていける。「でもまずは衣食住を見つけなきゃいけないわね」ここがどこでなんなのか何一つ分からないが彼女は自分の感を信じ雲の流れよりも早く飛んだ。
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どこまでも変わらない景色に飽き飽きしながらも飛び続けているとふと下の方が騒がしい気がして少し高度を下げた。
そこに居たのは大型船とそれを襲う大きなウツボのような巨大生物。面倒ごとには首を突っ込みたくない。しかし今ここで見捨てても夢見が悪い。渋々とでもいうかのように彼女は先程とは違う札を取り出した。「宝符「陰陽宝玉」」放たれた札は巨大な陰陽弾へと変わり謎の巨大生物を海底へと沈めた。
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先程まであの生物に逃げ惑う人間の叫びやドタバタとした足音が聞こえていたはずが今はその全てが喜びまだ自分たちは生きているのという感動へと変わっていた。「ありがとうございます!ありがとうございます!貴女が来なければ今頃私達は…!!」「はぁ…」「天使様…助けていただきありがとうございます!!!」「いや、天使じゃないんだけど」「どうかお礼をさせてください!!!」「いや、別にいらな…え、ちょっと!」そう口々に言うと彼女のことなどお構い無しに札束や純金の時計、金貨などお金にあまり興味のない彼女べもわかるほど高価で高額なものを次々に渡していく。あまりの勢いに彼女は断りきれないままどんどん腕の中のものが増えていく。
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これ以上ここに居たらまた物が増えてしまう。貰ったものを少しずつ袖の中へと入れながら彼女がそろそろここを立ち去ろうとした時1人の人物に止められた。綺麗なドレスやスーツを来ている者たちとは違い白い服の、それこそ海兵のような格好をした人物であった「あの、あなたは一体…あの海洋生物をたった一撃で倒すなんで普通の人間ではありません。貴女は一体何者なのでしょうか」「…私はただの巫女よ」「巫女?」「そう。幻想郷の素敵な素敵な巫女」そう笑いながら言うと彼女はくるりと身を返しまた雲の元へと飛び去った。残された貴族も隠れた海賊も、呆けた海軍もこの世界で彼女という存在に魅力されたとは知らずに。
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ずっと飛び続けたレイナは少しの肌寒さに気づいた。天気も先程とは違い、薄暗く雪もちらついてくる。だが彼女はそれを気にもせず進むと白い雪に覆われた島が見えてきた。彼女がたどり着いたのは冬島・ドラム島だった。
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(さて、どうするか)街におりてもいいがまた騒ぎになったらひとたまりも無い。レイナはこの島の中で一番高いであろう山に目をつけるとその頂上へと降り立った。山の頂上に建つ大きな城を見ながら久々の地面に足をつければタイミングのいい事に目の前に佇む扉がゆっくりと開いた。そこに居たのは大男のような体格で角が生えた毛むくじゃらの男「…鹿?」「俺はトナカイだ!!!」トナカイというにはあまりにも人間よりな体格をしていた彼はトナカイらしい。レイナになとってはそんなことどうでもよかったのだが
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「お前人間なのになんで空を飛んでたんだよ…!」「別に飛んだっていいじゃない。貴方だってトナカイなのに喋るし」そう指摘をすれば向こうは確かに…と納得する。(見た目に反してちょろいわね)なんて呆れる。「お前は驚かないのか…?俺、トナカイなのにこんな見た目だし普通に喋ってんだぞ?」「別に今更よ。こちとらあんたよりもやばい奴らを沢山見てきたからね」それこそ死ぬほど。
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幻想郷にいたもの達と比べればとても可愛い部類に入る彼にそう答えれば全てを理解出来ていないようではあったが理解したらしい。自分に対して恐怖も驚愕もしない彼女に彼は警戒を解いたのかその体格はしゅるしゅると縮み最後には膝下までになった。(…こっちが本当の姿ってことね) レイナはゆっくりと足を進めると彼の前に立った。そしてそのトナカイに彼女はこの世界を知れる本が見たいと図書がないな問えば、あるという答えをもらった。
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そのまま見せてもらおうとした時城の中からまた別の声が響いた「なんだいその小娘は 」パンクな格好とは似つかわしくない老婆にレイナは「調べたいことがあるからこの城にある図書を見せて欲しいんだけど」と言えば返って来た答えは拒否だった。「頼みをするならそれなりの誠意ってもんがあるだろう?」ひっひっひと笑いながらそう答えた老婆にレイナはふとあの船でもらったものを思い出した。袖の中に手を入れ札束をだしそのまま老婆へと投げ渡す。「これが私の誠意だけどまだ不十分?」まるで菓子を渡すかのように軽々と渡された札束に鹿の彼と老婆は目を見開く。しかし老婆は拒絶すること無く「…いや、十分さ。ただし自分の事は自分でやることだね!」とそれだけ言えばまた部屋の奥へと帰って行った。
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「なぁ良かったのか?」「ん?…あぁ別にいいわよ」特に興味がなさそうに話す彼女に彼はふときになったことを聞いてみた。「お前、変なやつだな。空飛ぶし、それにその格好寒くなかったのか?」そう指摘するのも当たり前だろうなんと言ったって彼女の格好は肩出しにスカートというあまりにも雪山とはに使わない格好だったのだから。普通の人間であれば一瞬にして凍結する姿にある彼女だったがやはりその表情は寒さに凍える顔ではない。「少しね、でも凍えるほどではないわ」「変な人間だな」不思議な生き物でも見るかのような目で彼女を見る不思議な生物に彼女はお前がそれを言うかというような気持ちになった。
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「…そういえばお前の名前なんて言うんだ?」「私?私は博麗…」そこでふと彼女の口が止まった。前は博麗霊夢と名乗っただって周りがそう呼んでたしこの体がそうだったから、じゃあ今は?そこでふととても懐かしい単語を思い出した。それはするりとなんの違和感もなく彼女の口から出ていく「レイナ…博麗レイナっていうの」「レイナ…俺はチョッパーだ!」「そう、よろしくチョッパー」小さた蹄が彼女の方へと伸びレイナはその蹄を握り握手した。
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少しの揺れと倒れる音がする本に彼女は目を覚ました。周りには本棚から取り出した多くの本。あれから数日彼女はほとんど篭もりっぱなしでこの世界の歴史をつづった本を読み漁っていた。レッドライン、グランドライン、大海賊時代。そのどれもがどこかで聞いたことある単語であった。しかし数百年生きてきた彼女にそれはなんなのか思い出せるわけがない。(それにしてもなんだか外が騒がしいわね)感覚を廻らせればチョッパーとドクトリーヌ以外の人間の気配が3人いるのがわかった。仕方ない、一体外では何が起きてるのかを調べるため彼女は数時間ぶりに部屋の外へとでた。
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話を聞こうとチョッパーとドクトリーヌを探しに城の中を彷徨いていればひとつの部屋にたどり着いた。中に一人、戸惑いもなくドアを開ければそこには知らない少女。多分レイナと同じくらいの歳だ。そんな少女はこの城に来て始めてみたレイナに驚く。「…チョッパー知らない?」「チョッパー?」「あー、あのトナカイみたいなやつ」突然部屋に入ってきたレイナに警戒するも当の本人はそんなこと興味無いかのようにチョッパーの居所を聞く。そんな不思議な彼女に警戒するのも馬鹿らしく思えた少女、ナミは多分私の仲間が追いかけてるとだけ話した。
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「そう…じゃあここにはいないのね」「ねぇ貴女は、」「レイナ」「え?」「私レイナっていうの」「あっ、私はナミ…」この城に来て2人目となる人間に少なからず興味のあるレイナ。「ねぇレイナ、貴女もこの城に住んでるの?」「違うわ。私はただの居候的な存在。少し調べ物があってここによっただけよ」ナミこそどうしてここへ?というレイナの質問にナミはこれまでの自分の事を話した。自分たちが海賊であることも話したがレイナはその事に興味が無いかのようにただただあいずちを打ち黙って聞いているだけだった。
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しばらく少女二人で話していればふとレイナが扉の方へと顔を向けた。それからしばらくして誰かが走ってこちらへ向かってくる足音が聞こえ、やがて勢いよく扉が開いた。「ナミさん!ここにトナカイが来なかったッ…!!!」突然部屋に入ってきたその男はレイナと目が合うと時間が止まったかのとうに言葉を切り体の勢いをとめた。なんだコイツと思っていたのもつかの間突然その男はレイナに近づくと両手を握りしめた「名前は、」「は?」「名前はなんて言うんだい?」「……レイナだけど」若干引き気味にいえば男は全身を震えさせ、またレイナを引かせる。「レイナちゃんって言うんだね!!!まさかこんな雪山で君のような可愛らしい女性に出会えるだなんて!!!君はもしかして雪のお姫様かい!?!」「いや巫女だし…というか誰」サンジと答えたその男をどう扱おうかと考えていればナミが助けを入れてくれた。トナカイをおってたんじゃないの?という言葉にサンジはハッとするとレイナの手を離し「今日はトナカイの料理だからね〜!!!レイナちゃんも一緒に食べよう!!!」とだけいうとまた部屋を出ていった。チョッパー頑張って…とだけ心の中で応援した。
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そろそろまた図書に戻ろう、レイナはナミと別れるとまたあの埃臭い部屋へと戻った。本当はチョッパーを探したかったがまた彼のようなヤバい人間には会いたくなかった。そうして本を読んで数時間また違う気配と嫌な騒がしさ。何かあったのだとレイナは様子を見るために外へ出た。図書のある階の高い所から下を覗けばそこに居たのはナミと、ナミを地面に押し付けるワルボ。(なるほど…これは面倒なことになったわ)レイナは腰に結びつけた紐に引っ掛けてあった大幣を取り出すと手すりの上に立ち、そのまま下へと落ちた。そしてその勢いを殺さぬままその大幣を振りかぶりワポルに向かって振り抜いた。
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着地と同時に壁の向こうへと吹っ飛んで行ったワポルを視界の端に捉えレイナはナミに手を伸ばした「大丈夫?」「レイナ!?」まさかただの少女だと思っていた彼女がワポルを吹っ飛ばし自分を助けてくれたことに驚きつつもナミはその手を掴み立ち上がった。「誰だお前!!!」聞きなれない声に振り向くと麦わらを被った男がこちらへと駆けつけてきた。レイナのことを敵だと思いこんでいたようだがそこはナミがレイナについて説明してくれたため争いが起きることは無かった。
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そのままワポルが武器庫に行きルフィが追いかけていった。「……なんだ…「武器庫」の鍵か…「宝物庫」だったら良かったのに…つまんない」ナミが懐から取り出したのは武器庫の鍵。あの時ワポルの懐から盗んでいたのだ。「ちゃっかりしてるわね」あの状況からこれを盗み出すほどの余裕があることにレイナは少なからず驚いていた。「ナミさ〜〜〜ん、レイナちゃ〜〜〜ん」「…げ…」全身傷だらけにも関わらず目をハートにして駆け寄ってくるサンジに顔を顰めれば隣にいたナミがクスクスと笑う。「あんた意外と分かりやすいわね」「…よく言われる」またムスッとした顔をしたレイナにナミは笑うことを止めなかった。
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ルフィがワポルを倒し新たな平和が訪れた時レイナは図書の中の本を片付けていた。ここにある本の大体は調べ尽くした、だったらもうここにいる意味は無い。そのまま外に出ようと入口に近づけばルフィとチョッパーの声が。「うるせェ!!!いこう!!!!」そんな声とチョッパーの声を聞きながら自分には関係ないと外に出れば刺さる視線視線。そんな事も気にせず歩いて人のいない所まで行こうとすれば突然肩を掴まれた。振り向けば自身の肩を掴む手と伸びた腕、そんなことできるのは彼しかいない「…なに?」「お前も俺達の仲間になれ!!」「はぁ?」そんなの聞いてない。理由を聞いても「お前が面白いやつだから」の一点張り。絶対面倒事しか起きないのになんで私がこいつらの仲間にならなくちゃいけないんだ。なんて思いながら唯一この中でも長くともにいたチョッパーに助けてもらおうと視線を向ければ彼もまた涙と鼻水でぐしゃぐしゃの顔で「レイナもいこう!」と勧めてくる。「…あんたが勝手に決めてもいいわけ?」どう考えてもあの剣士は私を警戒してるみたいだし、面倒事に巻き込まれそだから私は仲間になりまくない。と遠回しに言ってもそれが伝わることも無くナミも大歓迎だと言う。ゾロもルフィが言うのなら口は出さないのか特に何も言わない。レイナを置いて盛り上がるルフィ達に大きくため息を吐く、ルフィのしつこさはチョッパーや今回の件で知っている。渋々とでもいうかのように「…分かった。いいよ、一緒に行ってあげる」ただし、とその後をつける。自分とあんた達はあったばかりで何も知らないのだから私が乗るのは一時的に。乗ってお互いの反りが合わない、もしくは私が合わないと決めたらこの船から出ていくから。そう条件付きで付け足せばルフィからはブーブーも不満げな声が聞こえるもののそこから1歩引いてみていたナミ達はレイナの言い分にも一理あるとルフィを説得させ、レイナは晴れて一時的ではあるもののルフィ達の仲間になった。