悪ふざけの代償
悪ふざけのつもりで悪友の竜胆に、「りんちゃ〜ん♡ デートしよ〜♡」
なんて言ってみた。媚びっ媚びであざとさマシマシ、かわい子ぶりっ子自重しない感じの裏声で。
そうしたら、竜胆の様子がおかしい。
「は? キメェ調子乗んな」
くらい言われてドン引きされると思っていたのに、ずっと顔真っ赤にして睨まれている。なに……こわ……近寄らんとこ……。そう思って避けていたら、竜胆が間髪入れずに近づいてきた。
「おい」
「はいすいませんでした調子乗りました」
こういう時はさっさと土下座だ。初手で謝罪に限る。
「まだ何も言ってねぇだろ。それよりさ、アレいつもやってんの?」
眉間に皺寄せながら聞いてくる。あれ? 怒ってるわけじゃないっぽいな?
「……アレっていうと」
「さっきの……」
あの声のことかあ? いやいやそんな気持ち悪いこと誰彼構わずできるわけがない。
「あれはただの悪ふざけだよ〜。他の人にやるわけないじゃん」
と言ったら、めちゃ驚いた顔してる。怒ってるわけじゃないんだね、良かった〜、と胸をなでおろしたのもつかの間、
「じゃあアレはオレにだけ使えよ! あんな可愛い声他の男に聞かせんなよ!」
などと竜胆が言い出すからひっくり返るかと思った。良くないなぁ、むしろ悪い方向にいってんなぁ〜……。
※その後同じようなことを蘭にやったら「それ可愛いと思ってやってんの?」と蔑み顔で返されたので「その反応が正しいよね……」となった。
