追いたい男と逃げたい女_3
どうにかして蘭から飽きられるべく、ナマエは作戦を練った。そして出した結論は「じゃあ逆に都合のいいオンナになればいいのでは?」だった。前回は散々わがままを言って蘭を振り回した(とナマエは思っている)のに、彼はそれを嫌がらず受け入れていた。ならばその逆だ。誘いも断らず、返事もYESばっかりなら、蘭はやがて飽きるだろう。そうと決まればたった今来たメールに返信しよう。
「明日デートしようぜー」
とだけ書かれたメールに、
「いいよ♡ 蘭ちゃんの行きたいところに着いてく♡」
などと返信する。もちろんそんなこと1ミリも思っていない。休日はできるだけ寝ていたい。が、今は我慢の時だ。
デート当日。1時間くらい前から待ち合わせ場所に行って待っているつもりが、すでに蘭も来ていた。
「は、はやいね……」
と引きつり気味の笑顔でナマエが言うと、
「ナマエに会いたくて目ェ覚めちゃった」
などとのたまう。大番狂わせだ。めちゃくちゃ前から待ち合わせに来ておいて、重い女アピールをしようと思っていたのに。まあいい。次だ。
なんでもいいよ大作戦。これを実行しよう。
「どこ行くー?」に対して「どこでもいいよ♡」と返す。
「なに食うー?」に対して「なんでもいいよ♡」と返す。
さあ嫌いになれ。イヤだろこんな女!
これを何度か繰り返せば、いずれ蘭は冷める筈だ……と思ってたのにさあ!
なんで! 私を! 抱きしめて!
「ナマエはオレのこと大好きだもんな〜♡」
そんなことをさらっと言っちゃうかなぁ! この男はさぁ!!
どうして当たり前のように私を抱き枕代わりにしてるのかなぁ!?
※蘭はナマエの作戦を察した上で受け入れてる。
