7
日が暮れている。
発行された仮免許証を手に、暫し感傷に浸った。
(ここまで、長いようであっという間だった気がする)
4か月。酷く長かった気がした。
とても濃くて、何よりも愛おしい毎日だった。
4月頃の自分では予想もしていない所まで来た。確かに一歩一歩、少しずつではあるが前に進んでいる。
「おーい!!!」
「あら、士傑の」
夜嵐がこちらに走って来た。すごいな。元気だな。
轟と一緒に顔を向けた。
「轟!!また講習で会うな!!けどな!!正直まだ好かん!!」
「何て正直なの…!」
「先に謝っとく!!ごめん!!」
「どんな気遣いだよ」
切島のツッコミが冴えている。
そして本当にそれだけだったのかあっという間に踵を返して帰ろうとしてやがるぞアイツ。
本当にどんな気遣いだよと心の中で静かにツッコミを入れていると、夜嵐は再びグルン!!とこちらに今度は首だけ向けて来た。怖い。
「栂野またな!!いつでも連絡待っているぞ!!」
「えっ、あ、うん!元気で!」
今度こそ夜嵐は去って行った。
最後まで嵐のような男だったな…と遠い目をしていると、隣で息を吐いた音がした。
轟は少し疲れたような、安堵したような、肩の荷が下りたような表情をしていた。
なんだか、憑き物が取れたような彼の顔に笑みが零れる。
また、学校生活が戻ってくる。
いつもの生活が。
恙なく世界は過ぎて行って、日常は再び訪れる。でも。
「零仔」
「…!」
「寮に帰ったら、…話がある」
変わらないものなんて何もないんだと、もう自分達は知っている。
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