5.新人戦県大会3






2日目の朝は、北春日市内を探索し、そのままテニスコートへ向かう。今日は1人行動だ。


会場近くにはカフェがあり、早朝からやっているのでそこで朝ごはんも食べた。モーニングメニューもあって、更にオシャレな店内。更に店員さんも綺麗なお姉さんとイケメンなお兄さん。いいなここ、また来よう。北春日に来る機会はまたあるはず。きっと。



そんなことしてたらいい時間になり、会場へ着く時には1回戦が始まろうとしていた時だった。タイミングが良かった。



「俺たち今日は暇人だから」
と村井くんは、長江くんと千葉くんを引き連れながら言う。この3人はダブルスだけの出場だ。


シングルスは、本当に予想がつかない種目だ。地区大会の時点でも、ダブルスでは県大会に惜しくも出場できないような選手も、シングルスで勝ち上がって上位入賞・県大出場することも毎年見られるようだ。特に東商の高尾くんとかこのシングルスが高校初の県大会なのではないか。




1年生の桜井くんが早速出番あるようなので、すぐにそちらへ向かう。

地区大会では村井くんとの接戦によりシングルスの県大会出場権を手に入れたみたいだ。村井くんも後輩に負けてけっこう萎えてるみたいなので、あまり触れないでおくが。


桜井くんの相手は、一橋商業の2年生、笹原くん。3年生のお兄ちゃんと組んでいた時から注目されていた選手であり、私もたしか選抜予選の時にちらっと見たような。北別南野高校の橋下中村ペア相手に、とても息の合ったかっこいいプレーをしていた。西支部シングルスにも出場していたので、実力はそれほどなのだろう。

そうか、兄弟ペアだからお兄さんはもう引退してるから、今はその弟が残っているということだ。



とても接戦の末、桜井くんが見事勝利となった。




「今日の晃斗単純にかっけえ」
と千葉くんが言う。

桜井くんのプレーは後半は勢い良く、こちらの応援もとても息が合った。






西星生のシングルスはあまり見れる機会が少ない。というか、西支部シングルスも行けてないし、今回の地区大会もシングルス行けなかったし。





「七星!!!」
と突然声をかけられる。と思えば、白浜高校の大輔と、篠永くんだった。


「どうした??」
と私は聞くと、
「俺負けたけど、篠永初戦勝ったって!」
と大輔に言われる。

それはおめでたい!
大輔の相手はたしか緑陽南の選手だったっけ。大輔は負けちゃったのか。

「いやそんな大声で言うことじゃないですけど…」
と篠永くんは言う。

「え、篠永の初戦って北陽1年の森くんじゃなかったっけ。西の森千台中のレギュラーだった」
長江くんが思い出すように言うと、大輔が答える。
「に勝ったんだよこいつ」
「まじすか??さすが篠永……」

別にそんなすごいことじゃないし、と篠永くんは大輔を止める。



「俺らから見たらすごいことなのに、それをすごくないと言うから篠永は意識高い系」
千葉くんは言う。

「いや別にそういう意味じゃない……」
と、周りの発言に呆れてる篠永くんでした。




その篠永くんは2回戦で敗退。星の里高校の2年生、村瀬くんにはストレートで敗退した模様だ。

桜井くんも2回戦は北陽学園の1年生、中山くんに敗退。でも、西支部に該当する選手で3回戦進出が少ないため、この2人はもしかしたら西支部大会のシングルス出場権を得れるかもしれないみたいだ。


ちなみに毎年4月に行われる西支部大会というのは、県内の西側……さくら市、南市、一橋市、北別市、西の森市、明峰市の選手で、規定のポイントを達した選手が出場権を得れる。
地区大会や過去大会の結果も加算されるが、シングルスは今回の新人戦、ダブルスは3月のインドア県大会が特にポイントが多いらしく、シングルスは今回以降何も無いので、大体この大会で決まるらしい。


ちなみに東側の東支部も規定は同じだ。







そうして3回戦の真っ最中、花田くんと長島くんと玲一の3人が勝ち残った。



玲一の試合はまだなので、まず花田くんの試合を観ることに。相手は南市の北宮高校の、金澤くんだ。


「今の2年生世代って昔から南市が強くて、小学生の時全国常連だったし、小学生選抜の男子もほほ南市のメンツだったし、中学も釜川が全中行ったんだよね、確か。」
と村井くんは言う。村井くんも小学生の時からソフトテニスをやっていたので、その辺の人とは少しかは関わりあるらしい。

「北陽の辻金子ペアと、古谷くんは釜川中だったよね?」
「まあ金子くん中学かららしいけどな。釜川中以外だと今やってる金澤と、その金澤の今のペアの武田もそう。あと同じく北宮の須田くんと、星の里の村瀬も。ここは強いから小学生の時こっちからも注目されてたよ。」


というか星の里高校の村瀬くんって、昔から有名だったんだな。しかも南市出身だったとは。



その金澤くんの相手の花田くん。花田くんは中学でテニスを始めた人で、小学生の時は一切ラケットにも触れたことがなかったらしい。長島くんや藤木くんたちと小学校は違うらしいし。


お互い技術、センスのある選手だ。最初は押され気味だった花田くんもなんとか追いつき、ファイナルゲームへと突入するも、花田くんは敗退。金澤くんが4回戦へと進出した。



「シングルス苦手な陽介にしては今回頑張ったと思うけどな」
と村井くんが言う。

「花田くんてシングルス苦手なの?」
「自分でも苦手って言い張ってる。昔からあんまり勝ち上がれないらしい。」

むしろ花田くん、今回シングルスで県大会出たことも奇跡だと思ったらしい。昨年は地区大会ですぐ負けたみたいだし。中学時代もあんまりだったみたいだ。



「てか中学のシングルスで俺に負けたの根に持ってるらしいですよ花田先輩。」
と長江くんが言う。

話を詳しく聞くと、そのシングルスの地区大会では花田くんは第3シードに入っていたんだけど、その後長江くんと当たって、1度も勝つことなく敗退した経験があるらしい。その時長江くんは中学1年生でした。なので、花田くんは2年生の夏だったとか。



花田くんのシングルスに対する話は他にも色々と面白いものが出てくるらしい。きりないけど、本当に面白いな。…ごめんなさい。



ちなみに長島くんは、3回戦では緑陽市の西陵総合高校の黒谷くんにストレートで勝利ししている。次は星の里高校の大橋くんと当たるみたい。




そして、玲一の試合も始まった。3回戦では、星の里高校の畑中くんと当たる。

畑中くんは1年生だが、千葉くん曰く、小学生の時から有名な選手らしい。中学では全国大会1歩手前で敗退することが多かったらしいが。

生き生きとしていて、楽しそうなプレーが見れる畑中くん。そして技術もある。



「畑中は後衛の中ではえぐい類だと思いますけどね。」
と長江くんは言う。まあ、この人が言うならそうなのであろう。



この試合はいい勝負になっていたが、後半に押されてしまって、玲一は敗退。ベスト32という結果になった。







ちなみにこの日、長島くんはかなり勝ち進み、入賞も決めた。最後は星の里高校の2年生エースである志村くんに敗退したようだが、それでもやり切った感はある。なんか彼女さん関連で落ち込んでいる様子だったけど、ここまで勝ち上がるとは。



「七星も疲れたしょ、2日間も。」
と玲一に聞かれる。
「いいや全然、楽しかったよ!」

写真も撮れたし。いい試合沢山観れたし。




「とりあえずまあ、俺らはあと1年よろしくお願いします。」
と、村井くんに改まって言われた。

「え、なに?!こちらこそ、みなさんよろしくお願いします…」

まあ勝手に追っかけてるの私だし。別に頼まれてないし。まあ、いいか。


「玲一先輩たち引退しても俺ら西星のこと応援してくれます??」
と突然長江くんにも聞かれる。

「そりゃするよ!玲一も一緒にね!」
「いや俺を巻き添いにすんな。いや後輩だからちゃんと応援するけどさ。」


最後はこんな他愛もない会話をして、2日間の幕を閉じた。





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