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自分だけ知っていればいい



瞼を上げたら飛び込んできたのは余の奏者の寝顔だった。微かな寝息を立てて眠る奏者の顔には、戦場の時のような峻厳さはない。あるのは可愛らしさだ。もう少しで他のサーヴァントが起こしに来るだろう。であれば「起きよ奏者。朝だぞ」無防備な奏者の体を揺さぶる。この顔を知るのは余だけでいいのだ。