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04/08
友達の話
「友達の話なんだけど…」
顔を赤らめもじもじした様子で話し出す教え子に五条はすぐに恋バナだと閃いた。
さらに“友達の話”という前振りは自分の話であると相場が決まっている。
「友達がだよ?友達が五条先生のこと一目見て好きになったって言ってて」
「ええ、ほんと?困っちゃうな」
五条は友達を強調して話す彼に内心ニヤニヤが止まらなかった。
「その子男の子何だけど、やっぱり迷惑だよね?」
心做しかしょんぼりした顔でそう告げる彼を可愛く思いながら五条は考える。
──彼からの告白、有りかもしれないと。

「そういうのはほら、事前に聞くのって良くないと思わない?僕としては直接言って欲しいけどなあ」
「ほんとに?あ、でもこれ友達の話だからね!勘違いしないでよね!」
五条の言葉に嬉しそうに顔を上げた彼の顔には喜びと安堵の表情が浮かんでいた。そして彼の口から飛び出したツンデレを思わせるような台詞すらも五条への想いを隠すためなのだと思うと愛おしく思えた。
「じゃあその友達に待ってるって伝えといて」
「うん!」
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