Part1
「どうしよう…恵くん」
目を赤くした巴さんに話しかけられた
「どうかしたのか?」
できるだけ優しく問いかける
虎杖のこともあって巴さんは最近塞ぎ込んでいた
「悠仁の匂いがどんどん消えてって、僕いつか悠仁の匂いも何もかも全部忘れちゃうのかな」
虎杖のパーカーを着た巴さんが目を潤ませて話す
無性に泣いて欲しくないと思った
巴さんをギュッと腕の中に閉じ込めて頭を撫でる
「巴さんは絶対に忘れないと思う」
「何それ」
ふふっと笑う巴さんに安心する
腕を離そうとすると、もっととでも言うように腕を掴まれた
顔が赤くなったのがわかる
絶対今の俺は父親にも五条先生にも見られたくない顔をしている
暫くして巴さんは漸く手を離した
少し赤らんだ顔で「ありがとう」と告げ部屋に戻って行った
親父が巴さんを可愛いと称する理由がわかった気がする
Part2
1人で盛り上がっている五条に近付く
「何?僕の好きなところで山手線ゲームしたくなった?」
それとも一緒に炎上する?と聞いてくる碌でなしに虎杖のことを問いつめる
ついでに労働代も請求する
「まあ可愛い生徒が生きてたんだし、細かいことはいいじゃんね悠仁?」
「兄ちゃん泣かせちゃったのは事実だしなぁ」
「でも巴ったら、今は恵に夢中だよ」
ほら、と巴と恵が抱き合っている写真を見せられた
「あ、これ俺の服!兄ちゃんまた着てるー!」
嬉しそうに言う虎杖に妬ましさを込めて軽く拳骨を落とし、写真をまじまじと見つめる
俺そっくりの顔した息子が満更でもなさそうな顔をして巴を抱き締めていた
「血は争えねぇな」
「ほんとうにね」
やれやれと言う五条に何故か腹が立ったが、とりあえず先に恵には稽古をつけてやろうと思う
感動の再会やら何やら話す馬鹿共の話は聞かなかったことにした
Part3
「兄ちゃん一人で泣いてないかなー」
「お兄さんいるの?」
悠仁の言葉に思わず聞き返す
「そうそう、見てこれ可愛いっしょ俺の服着てんの」
そう言って見せられたのは悠仁よりもどこかあどけなさが残る赤い目の少年だった
「本当にお兄さん?」
悠仁よりも幼く見えてついつい聞いてしまう
確かに悠仁の言う通り可愛らしい容姿だけれど、あまり似ていない
「本当は、い、従兄弟らしいんだけどでも兄ちゃんは兄ちゃん!」
従兄弟と言う時少し口ごもって顔を赤くした悠仁だったが、それでも兄ときっぱり断言した
「僕には兄弟いないから羨ましいな」
思わず漏らした本音に悠仁はニカッと笑って言った
「兄ちゃん優しいからさ、順平も仲良くしてやってよ!きっと仲良くなれると思うんだよね」
それから兄がどんな人か話し出したが、とても楽しそうに話していてやっぱり羨ましいと思った
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