【もしも巴が虎杖悠仁の年の離れた弟に生まれ変わっていたら】


「ねえ先生、高専って寮なんでしょ?」
「ん?そうだよ」
「東京に家借りて暮らしながら、そこに通うのじゃ駄目?」
「良くはないかな、何で?」
「8歳の弟がいてさ、さすがに1人には出来ないなって」
「…養護施設とかは?」
「駄目!」
「うんだよね、じゃあ東京に一緒に連れていこうか」


「巴、ほらこの人がさっき話した五条先生」
「はじめまして、虎杖巴です。よろしくお願いします」
「ご挨拶できてえらいねー、僕は五条悟。見ての通りのグッドルッキングガイさ」

そう自己紹介すると、巴から冷たい目が向けられた
──虎杖巴、禪院巴と瓜二つの子供

この子を見たら、あいつはどんな顔をするだろうか

「じゃあ東京行っくよー、忘れ物はない?」
「ない!」
悠仁は元気よく返事をしてくれるが、巴はだんまりだ
悠仁に似ず、内気な子なのかもしれない

学校に着き、恵に巴を任せ悠仁を学長の元に連れて行く
恵が子供の相手なんて少し心配だけど、他に預けるところもないので巴にはちょっと我慢して欲しいところだ





恵、そう呼ばれた少年は兄様にそっくりだった
顔を見て思わず息を止めてしまうくらいには

「恵くん恵くん」
僕がそう呼び腕を引っ張ると、少し困った顔をして膝を曲げてくれる
そんな優しいところも兄様みたいで、思わず恵くんの首に抱きついた
「巴…?」
困惑した声音だが、無理に引き剥がそうとはせず、たどたどしい手付きで頭を撫でてくれた
だから兄様に似た恵くんが、僕は大好きになった

五条先生たちが戻ってくる頃には僕は恵くんにベッタリで、お兄ちゃんが少し拗ねた顔をしていた
「ほら巴、俺と一緒の部屋だぞー!」
そうやって僕を恵くんから引き離そうとするお兄ちゃん
恵くんも僕をお兄ちゃんのところへ連れて行こうとする
だから恵くんの足にギュッと抱きついた
「おわっ」
「こら巴!危ないだろ」
お兄ちゃんが怒る
今のは僕が悪かった、だから恵くんに謝る
「ごめんなさい」
「ん、ほら虎杖のところに行ってやれ」
恵くんに言われてお兄ちゃんと部屋に戻る

五条先生がずっとニヤニヤした目で動画を撮っていたのが気になったけど

「なあ巴〜、巴は伏黒みたいな兄ちゃんがいいの?」
ブスッとしたお兄ちゃんが聞いてくる
「違うよ、お兄ちゃんはお兄ちゃんとして好きだよ?でも恵くんは恵くんだから好き!」
「複雑っ!」
お兄ちゃんは枕を抱えてごろごろ転がり出した

「ねえお兄ちゃん、お兄ちゃんの中にいるの誰?」
「ほう、貴様俺がわかるか」
バチッ
「巴に話しかけんな」
「お兄ちゃん!?」
今お兄ちゃんのほっぺから口が生えて、喋った
「いや何でもねえから気にすんな、な?」
お兄ちゃんの圧に何も言えなくなる
「…わかった」

「明日どっか行くらしいからもう寝ような」
「うんお休みなさい」
「お休み」


《ゆうじとすくな》
「おい宿儺、弟に話しかけんな。弟の前で現れんな」
「小僧の弟か。だが彼奴のあの気配は確か…」
「煩い、巴に興味を持つな」
「俺の勝手だろう」


《さとるととうじ》
「ねえねえ、見てこれ♡」
「あ゛あ?…巴!?おいどういうつもりだ?」
「この子、あの宿儺の器の弟だって」
「は?俺の弟だろ」
「まあその辺は自分で確かめてみなよ」
「…待てよ、宿儺の器はお前の生徒になるんだよな?」
「うん」
「巴はどうなる?十にも満たねえ年だろ」
「ここには置いとけないしね、まあ最悪僕が引き取るよ」
「は?なら俺が引き取る」
「自分の子供育ててから言えよ」