▼ なに言ってんの殺すよ?
恋人に浮気されたらどうする? なんて特に意味もない会話。
彼はいつもの笑顔で答える。
「何言ってんの殺すよ? 道徳も良心もかなぐり捨てて、持ってる知識全部使って殺すよ。お前たちに掛ける迷惑考えないで、ぜーんぶ放ってでも、絶対に殺す」
――こいつの頭のネジは、とうの昔に足りなくなっている。
誰かが呆れたように、たしなめるように「××先輩」と声をかける。
「……なんてね、冗談だよ〜ん」
嘘だ。冗談なんかじゃないくせに。
彼の本当の性格を知らない者は安心したように笑い、知っている者は苦笑いを浮かべる。
昏い瞳がどろりと歪む。
彼は笑っている。
なぜ笑うのか、わかりたくもない。
2014/02/12
2016/08/14
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