終焉、そして新たなる始まり




――…かつて、


この世界の中心には、あらゆる生命の源となる“マナ”を無限に生み続ける美しき【大樹】が存在した。
しかし、長年に渡って続いた人と狭間の者達の争いによって樹は枯れ、代わりに一人の勇者の命が“マナ”となった。

そんな悲劇の結末を知った一人の女神は、深い悲しみとどうすることも出来ない絶望に苛(さいな)んだ末、変わり果てたこの世界からその姿を消した。
この時……、女神は自身の代わりとなる存在――…【天使】を地上に遣わす。


《私が眠れば世界は滅ぶ。私を目覚めさせよ》


こうして天使は、人の子から【神子(みこ)】を生み出し、神子となりえし者は天へと貫く階(きざはし)を旅の最終の目的地とし、世界中に施された精霊の封印を解放して巡り行く。
これが【世界再生】と云う名の旅の始まり。そして重い宿命を生まれながらにして背負わされた神子と呼ばれる者達の、悲運辿る旅の始まりである。