※ここから先は夢主の独断と偏見による妄想です。長いうえにグズグズ設定なので適当に読み流して下さって大丈夫です。お時間さえあれば、お付き合い頂けると光栄です。※



    某国の可憐な姫は、無慈悲にも世界征服を企む悪の権化である魔王カゲヤーマに見初められてしまい、高い高い塔の最上階に幽閉されていた。
    そこで、攫われた姫の父・アース王によって世界各国の有能な騎士たちが招集された。

    そう、その中の1人こそが前世の私だったのだ――!

    そしてアース王による魔王カゲヤーマ討伐の命が下される。
    私は、ハゲ武闘家のドラゴノスケ、性悪魔法使いのムーン、ドジっ子商人のMt.タダーシ。
    そして唯一のドワーフ族の末裔であるサニーらと共に姫救出の旅へと出るのであった――。

    魔王カゲヤーマの家臣である敵たちを倒し続け、私たち一行は漸く諸悪の根源が棲みつく塔へと辿り着く。あとは、何とも凶悪な魔王カゲヤーマを倒すのみ。

    私たちは世界平和のため。そして何より麗しい姫のために、パーティとして一丸となり魔王カゲヤーマに立ち向かう。

    しかし、切り込み隊長であるドラゴノスケは熱くなりやすい性質のせいか、戦闘序盤で力尽きてしまう。

    そのため防御力が一番高いこの私が、最前列で身を挺して仲間を守るように、魔王カゲヤーマへと立ちはだかる。

    そして戦闘中HPが0になりかける度に、性悪ムーンに回復サポートをしてもらうはめになるのだが、それがまた最悪だった――。

    あろうことか、ムーンは回復魔法と共に必ず小言も吹っ掛けてくるのである。
    ……ムーンめ、本当はもっと優しく出来るはずだ!

    一方その傍ら、小さなサニーは魔王カゲヤーマの凶暴さに委縮するばかりだった。また、Mt.タダーシが武器である“せいぎのそろばん”を失くすというハプニングにも見舞われてしまう。

    しかし! 私は戦力ダウンやムーンの小言、Mt.タダーシのハプニングも乗り越え、諦めない心と精魂込めた剣捌きで魔王カゲヤーマを遂に倒したのだ!

    そして、「姫を早く助けに行かねば!」と姫が幽閉されているであろう部屋へと乗り込んだ。そこには、儚くそして何とも美しく涙を流す天使のような女性がいたのだ。

    それは紛うことなき、アース王の一人娘であるコーシ姫であった――。

    姫は私の存在に気付くと「ああ、勇者様。助けに来て下さったのですね」と私に駆け寄り抱き着いてきた。

    その美しさに、一瞬で恋に落ちてしまった私は、何を思ったのかその場で求婚の申し出をしてしまう。

    ああ、きっと拒まれてしまう。と心の何処かで分かっていながら、居ても立っても居られなかったのだ。しかし、コーシ姫は白くて綺麗な頬を赤く染めながら私の手を握って下さった。

    そして控えめに且つ愛らしく「わたくしの心はもうすでに勇者様のものです」と微笑まれたのだ――。

    姫を無事城に送り届けると、私はアース王から魔王カゲヤーマ討伐の功績を讃えられた。その功績のおかげか否か、コーシ姫との結婚を認めてもらえることができた。


    その後、ふたりは幸せに暮らしましたとさ。めでたし、めでたし――。



    ※以上、妄想終了です。以下から本編開始致します。本編といえど少々妄想引きずってます。ご容赦下さい。※



    そして恐らくその姫こそが、現世の菅原孝史なのだ――!




    「明智、さっきから心の声が駄々漏れだ……」




    固く拳を握りしめていると、肩に手を置かれた感触がした。
    振り返るとそこには大地さんが可哀想なものを見るような目で立っている。

    そして再度、軽く肩をぽんぽんと2回叩かれ哀れまれた。……何故?




    「明智さん、ムーンってツッキーのことじゃないよねッ!?」
    「うるさい山口。ていうか妄想長すぎじゃない?」
    「山口も散々な言われようだったがそれで良いのか?」
    「誰がハゲだコラァ!!!!」
    「田中もツッコむとこはそこなのか。お前、序盤であっという間に殺されてるんだぞ……」
    「ドワーフってなんだ?」
    「そんなことより王様、ラスボスにされてんじゃん」
    「ああ゛!? 魔王って俺の事だったのかよッ!!」
    「いーじゃんラスボス。自己チューの王様にぴったりじゃない」
    「んだと月島! てめーケンカ売ってんのか!?」
    「お前らもそんなことで喧嘩しない!」




    口々に反論されながらも1人でなるほど。と事態を把握した私は自身の荷物をしっかりと持って先程歩いてきた道を辿ろうと歩き出す。

    しかしそれは、誰かが私の腕を強く掴んだことによって阻まれた。




    「おいコラ明智! 誰がハゲてんだコラ!! 言ってみろぉッ!!!」
    「ひぃッ!! スミマセンッ!! ほんの出来心だったんですっ!!」
    「へぇ、出来心。性悪魔法使いムーン、だっけ?」
    「つ、月島サン? 目が、目が据わってらっしゃいマスよ……?」
    「おい明智! 何で俺が悪役なんだよ!!」
    「いや、影山は絶対的に悪役だと思うよ?」
    「何で俺の時だけ真顔なんだよッ!! もっとビビれよ!!」
    「影山は普段から顔怖いから、なんか怒っても怖くないよね」
    「んだとゴラッ!!!」




    そんな言い争いをしていると、背後から身の毛がよだつ程の殺気を感じた。そして「お前ら」と地を這うような低い声が聞こえたのは気のせいではない。

    それは他のみんなも同じだったようで、うるさかった田中も影山も、ついでに月島さえも口を閉ざして顔を青くしている。

    “ギギギ”という効果音が付くような動きで、恐る恐るみんなで後ろを振り返った。

    予想通り……。いや、予想以上な般若顔の大地さんが仁王立ちしているのを見て、もともと青かった顔に冷や汗を流した。




    「――いい加減にしろッ!!!!!!!!」










    ▼▼▼










    あの後、「本当にすみませんでした」とらっきょヘッドと矢巾さんにみんなで頭を下げて体育館へと移動した。……あの大地さんの般若顔は一生忘れないと思う。


    (思い出しただけで寒気が……)


    軽く身震いして、あんな失態はもうしないと密かに決意する私です。

    漫画を読んでいた時、大地さんが怒っているシーンでケラケラ笑っていた私は安らかに(※決して安らかではなかった)お眠りになられました。

    練習試合だからと、潔子さんの隣でベンチに座って1セット目を眺めながらそんな不躾なことを考えている私とは。

    いかんいかん、試合に集中しなくては……。

    そうは言っても、1セット目なので日向はガチガチに緊張したままだ。そして悲しいことにあれから菅原さんが私を避けている。こんな現実知りたくなかった。


    (姫呼ばわりしたのが相当嫌だったんだろうな……)


    あ、なんか悲しくなってきて涙が出そう。それともあれか、発想がオタク過ぎて気持ち悪がられたのだろうか。
    どっちにしろ涙出そうだけど。天使に嫌われてしまったのだ。もう生きていけない。

    私がメソメソしていると日向が影山に後頭部サーブを炸裂し、館内がざわついた。

    しかし、そんなことよりも菅原さんに嫌われたことの方が重大なので笑う気力も湧き上がってこない私である。

    日向は影山と田中からお説教を受けて元気になったようで、ぴょんぴょん跳ねながらベンチに戻ってくる。
    ルンルンですね、日向さん。羨ましい限りです。なんて心の中で思った。

    溜息を吐きそうになったところで大地さんと目が合う。




    「明智、試合どうだ?」
    「…………日向テンパりすぎ。月島レシーブ下手くそ。影山コミュ障かよ。田中さん力任せ。縁下さん地味。大地さんレシーブ上手い」





    菅原さんに嫌われた私はもう怖いものなんてないのさ。
    そう私、ムテキ、サイキョウ、アイアンハート……って感じで落ち込みながら早口で捲くし立てた。


    「ぷっ、影山悪口言われてやんの」
    「ああ゛!? テメェはさっきのグズグズを言われてんだろーが!!!」
    「だあっはっはっは!! 影山のは確かに悪口だわ!」
    「……」


    影山が日向の胸倉を掴んでいる傍らで田中が大爆笑をしている。月島が私を睨んでいるのは無視だ、無視。


    「俺、地味……」
    「縁下、そんなことないぞ。元気出せって、な?」
    「でも大地は褒められてんじゃん」


    私の言葉に縁下が若干落ち込んでいるのは申し訳ない。大地さんが一生懸命慰めている。私が言葉足らずでした。すみません。そういう意味で言ったわけではないです。

    それにしても菅原さんが私の目の前でやっとお口を開いてくれた!(※但し話しかけられているわけではない。)なんと神々しい……。


    「で、どういう意味か説明してくれ」


    大地さんはにっこり微笑んでそう言った。若干、主将の圧を感じたのは秘密だ。
    何というか迫力があるんだよな、この人。無自覚だろうけれど。そのため私は、圧に負けて渋々話し始める。


    「日向は、もう大丈夫そうですけど……月島はそのまんまの意味です。田中さんは、目の前にブロックがいたら力任せに打つ傾向があるように見えました」


    部員全員が私を取り囲んで話に耳を傾ける。私は体育会系特有の迫力を感じながら、1セット目を見た感想を簡潔に述べていく。


    「縁下さんが地味っていうのは攻撃にもっと参加していいと思っただけで、別に縁下さんが地味とかそういう意味じゃないです」


    縁下の方をちらりと視線を向けると、縁下は口を開けて呆気にとられたような表情をしていた。

    縁下が攻撃参加に消極的な理由は単に自分に自信がないからだろうな。と、心の中で付け足す。




    「縁下さんは確かに目立たないですけど、言うほど下手ではないですし。ていうか普通に上手だと思います。目立たないって言うと聞こえは悪いですけど、目立たないってことはミスが少ないってことですから。ただ、どうしても五月蝿くて目つきの悪い田中さんや小さくて頭髪の主張がすごい日向、あと身長が高いだけの性格最悪な月島とかのせいで目立たないだけで」
    「うん、そんなに目立たないって言ってやんな?」




    菅原さんの声がして俯きながら話していた顔を上げると、何やら縁下が複雑そうな表情でこちらを見ていた。

    何か、気を悪くするようなことを言ってしまっただろうか。褒めたつもりだったんだけれど。(※いえ、後半はほとんど悪口です。by管理人)

    ていうか菅原さんが私に話しかけてくれている。嫌われたわけではなかったのか! 良かった! ワタシ、マダ、生キテイラレル……!


    「お前はちょくちょく口悪いよなぁ!」
    「しかも無自覚」
    「おれの身長はッ! これから! 伸びるんですッ!!!」


    喜びに浸っていると、漫画ではないが頭に怒りマークを付けた田中、睨むように私を蔑んでいる月島。そして何やら私を威嚇している日向の声で我に返る。


    「つ、ツッキーは性格悪くなんてないよっ!」
    「うるさい山口」
    「ゴメン、ツッキー!!」


    ふたりの定番のやりとりを見ながら私は、何か悪いことでも言ったかな。と首を傾げた。


    「ていうかそれじゃあ影山のはただの悪口……?」
    「ぷっ、ドンマイ! 影山クン!」
    「うっるせぇ! ボゲ日向おめーも言われてんだろッ!!」
    「自己チューなうえにコミュ障だなんて手に負えなーい。ああ、それともコミュ障だから横暴なのかな? 王様は」
    「んだと月島ッ!!!」
    「お前らケンカすんな! 大地さんに怒られっぞ!!」


    縁下が呟いた疑問でここまで盛り上がれるとは流石としか言いようがないな。と、目の前の言い争いに「ふむ」と顎に手を添えて考えるポーズを決める。

    そんな私に「“ふむ”じゃねーよ!」と影山が怒声を響かせた。


    「うるさいなぁ……影山って技術は飛びぬけて上手いけど、それだけじゃん」


    私の言葉に影山がピタッと動きを止めた。そして眉を吊り上げて睨むように凄みながら「どういうことだ」と、私に言葉の続きを促す。


    「そりゃもちろん上手いとか強いとかに越したことはないし、寧ろ上へ上がれば上がるほど、個人の技術の高さは必要不可欠だよ」


    影山が眉間に皺を寄せた。「何が言いたいんだ」という目で私を睨みつけてくる。
    凄みはあるけど全然怖くはない。所詮、高校生だからね。と心の中で溜息を吐く。


    「でもバレーっていうか、団体スポーツ全般に言えることだと思うけど……1人だけ上手くたってどうしようもないじゃん」
    「……」
    「あれだよね。影山って不器用だよね。猪突猛進! って感じ」
    「? ちょとつ……なんだ?」
    「あとスッゴイ馬鹿だよね」
    「あ゛!?」


    急に黙り込んだ私を不審そうに影山が「なんだよ」と見てくる。

    内心言い過ぎたなと反省しつつ、どうせ春高予代表決定戦の青城戦で成長するから別に言わなくても良かったんだけどなと他人事のように思った。

    ついつい、口を出したくなるのはしょうがない。自然と溜息が出た。


    「とにかく、ちゃんと見なよ。自分のチームのことをさ」
    「自分の、チーム……」
    「そう。とりあえず相手のブロッカーとかどうでも良いから」
    「どうでもは良くねぇだろ」
    「いーんだよ、どーでも。青城は確かに、ブロック高いし個人の技量も上々だとは思うけど、ただそれだけ。特別上手いわけじゃない」


    私の言葉に影山が不服そうにむっとしているのが分かる。本当に猪突猛進男なんだなと頭の片隅で思った。


    「青城レベルのブロッカー相手なら2枚だろうが3枚だろうが田中さんならぶち抜けるから関係ないって言ってんだよ、バカゲ山」


    影山は驚いたように目を見開いて私を見つめる。その横で「おおっ!」と田中が興奮した面持ちで前のめりになっている。

    そして「明智、お前よく分かってんじゃねーか!」と私の肩をバシバシと叩いた。普通に痛い。田中先輩、私これでも女の子です。手加減って言葉知ってます……?

    私の言葉に何か思い当たる節があるのか影山が不服そうな顔で「俺はバカじゃねぇ」と低めの声で言った。
    その様子を見て月島と山口が「ぷっ」と笑ったことで喧嘩を始める。あ、大地さんに怒られそう。

    うん、どうしてこうも直ぐにカオス状態に持っていけるのか不思議だ。




    「お、おれはっ!?」




    子供のような高めの声にみんながそっちを振り返る。必死に自分を指さして「おれは!?」と聞いてくるオレンジ頭がとてもうるさいので黙らせる一言。


    「あー、日向はまだ・・無理だね」


    日向から“ガーン”という効果音が聞こえてきたのは私が漫画やアニメに毒されすぎなのだと思う。私が“まだ”って言ったことは聞こえていないんだろうな。

    まあ近い将来出来るようになるから安心しなよ、という意味合いを込めて日向の肩にぽんっと手を置いた。


    「追い打ちをかけるなよッ!」
    「エッ!?」


    田中の言葉に私は驚いて田中の方を見る。慰めたはずなんだけれど、何故怒られているのだろうか。
    大地さんに「お前は見かけによらず中々イイ性格してるよな」と苦笑いをされた。

    私は、頭の上にクエスチョンマークを飛ばしながら、とりあえず日向に「ごめん」と謝った。

    当の日向は「イイんだ、おれが下手くそだから……ッ!」とこちらに片方の掌を向けながらもう片方の手で顔を覆っている。謎のテンションである。


    そこで、ちょうどセット間終了の合図が鳴った――。




    「あ、えーっと、そんじゃあ……勝ちに行きますか?」




    私のその言葉にバレー部全員が振り返って、「おうッ!」と笑った。(月島は例外です。)


    (いい笑顔で何よりです)










    あとがき的な……。

    無駄に長い。
    Mt.タダーシの職業と武器“せいぎのそろばん”はドラ〇エ3のネタです。知らない方すみません。ちなみに、アース王は大地さんのことです。他は大体察して頂けるかと……。

    登場人物がいっぱいだと会話させるの難しい。書いてるうちに何となく影山&ギャグ回になってしまいました。
    ついでに管理人がいっぱい登場してしまい申し訳ない限りです。総じて、ただの管理人の性癖&妄想の暴露回となりました。大変失礼致しました。




    【次回予告】勇者明智とコーシ姫のラブラブ♡結婚生活編!(大嘘)