「!あいつは確か…!」
この日、俺は潜入していた組織が壊滅したことと、その残党狩りの状況を報告するため、久々に登庁していた。
するとそこには見知った顔が一つ…。
いつだったか、警察学校で俺が指導に入った時に出会ったやつだった。
忘れるはずがない、いや、忘れられるわけがなかった。
なぜならあの日、俺は彼女に抱いてはいけない特別な感情を持ってしまったのだから。
警察学校にいるのは大半が男である。その中での厳しい訓練を、必死に耐え抜き、努力している彼女の指導にあたっているうち、次第に惹かれていることに気づいた。
だが俺はここの教官ではなく公安の捜査官。日本のために戦う俺が持っていていい感情ではない…そう心の中の俺が抑制していた。
俺の教官最終日、自販機の前で休んでいるみょうじに話しかけた。
「みょうじはいつも頑張ってるな」
「そんなことないですよ…ただ降谷さんのようになりたい、そう思って頑張ってるだけです」
「あぁ、いつも見ていたからわかる。…頑張り過ぎるなよ」
「はい!…いつか降谷さんと同じ部署で働けるように精進します!」
そう言ったみょうじにスポーツ飲料を渡して、お前なら大丈夫だという意味を込めてぽんと頭の上に手を置いた。
それから数年。まさか本当に同じ部署で再会するなんて思ってもみなかった。
あの頃と変わらず、みょうじの一生懸命仕事に打ち込んでいる姿に自然と目を奪われる。
あれから消えることのなかったこの想いは、未だ俺の胸の中に仕舞い込んであるままだということに気がついた。
あぁ、今なら言えるだろうか…
君が好きだと。
2017/05/13 rewrite