「今日は雨ですか」
窓の外を見てみると、どんよりとした雲の中から、ぽつぽつと雨が降っていた。
「ん〜でも、お昼からは晴れるんだって!だから、傘持って行かなくても大丈夫じゃない?」
「そうですか。じゃあ置いて行きますね」
「うん!バイトいってらっしゃい!」
そんなやりとりがあった朝。
午後になっても止むどころか、その雨足は一層強くなっていた。
仕方ない、車まで走るか…と思いながら裏口のドアを開くと、1人の女性が傘を差して立っていた。
「あ、透さん!」
僕の名前を呼んだ女性は、家で待っているはずのなまえさんだった。
「なまえさん!?こんなところにどうしたんですか?」
「あのね、雨がすぐ止むっていうのは嘘だったんだ…こうやって迎えにくる口実が欲しかっただけなの」
だから、エイプリルフールにのっかって嘘ついてみました。
なんて頬を赤らめて微笑む。何て可愛いんだろうか。
彼女を静かに腕の中に閉じ込めた。
「でもね、ここに来てから気づいたんだけど、傘なくても透さん車あるから大丈夫だったんだよね…」
なんてしょんぼりしてるなまえさん、可愛かったですよ。本当に。
2017/04/01