紅茶に混ぜた甘い嘘

今日はエイプリルフール。いつも彼にしてやられてばかりな私は、今日こそは、と張り切ってあることを計画していた。



「はい、昴さん」
「ありがとうございます」


紅茶の入ったティーカップを彼に手渡す。よし、ここまではいい感じ。


「いただきます」

ごくっ…昴さんの喉の動きを見て、自然と口角が上がる。あとは…


「…実はね、昴さん。この紅茶、媚薬入りなんだけど…」


仕掛けるのみ。


「ホォー、媚薬入り…ですか?」


彼の顔が妖しい笑みに変わる。しまった、これは大変まずい!
彼の変なスイッチを押してしまった!
早い所ネタばらしをしなくては…!



そう考えている間にもソファの上でじりじりと距離を詰められる。


「や、あの!嘘ですよ!?入ってません!!エイプリルフールっ!!!」
「そうですか。ですが、僕はなまえさんという媚薬にあてられてしまったようです。その責任…とっていただけますよね?」



そうやって私との距離を詰めて、甘い声で囁きながらソファに押し倒す。こうすると私が拒否できないことを知っててやってるんだからたちが悪い。

本当にずるい人。


やっぱり今日も私の負けだわ。

















【おまけ】

「昴さんって、私の嘘、最初から全部お見通しだったんでしょ?」

またしても昴さんを出し抜けなかったのが悔しくて、自然と拗ねたような口調になる。


「えぇ、嘘だということは最初から気づいてましたよ。ですが、あまりにも期待した目で見つめられていたので…なまえさんの悪戯に乗って差し上げたんです」



なんて余裕な笑みを浮かべる彼には、多分一生敵わないんだろう。




2017/04/01