非常に晴れやかな気分で一角のもとを去った#name#はさっそく黒崎一護との接触を図ろうとしていた。しかし遠くの方から大きな霊圧の波が爆風のように吹いてきて思わず顔をしかめた。
 感じる霊圧は二つ。ひとつは先ほど訪れた十一番隊の隊長である更木剣八のもの。もうひとつは、重傷を負った恋次からほのかに感じた霊圧と同じだ。つまり黒崎一護のもの。更木といえば戦闘狂で有名な男だ。非常に荒々しく凶暴な戦い方をするため、彼が戦っている時はできれば近づきたくない。
 ことりは無駄な争いに巻き込まれたくないため、頃合いを見て霊圧のする場へ顔を出せるように近くまで行っておこうかと思案する。

 が、その時懴罪宮の方で霊圧のかすかな揺れを感じた。

 四深牢の壁は殺気石でできているので、中にいるルキアの霊圧をことりが感じられるはずがない。面会も基本的には禁止されている。そもそもこんな緊急時にわざわざ懴罪宮まで足を運ぶ隊士はいない。つまり、だれかがそこに辿りついてしまったということだ。
 ただ黒崎一護の仲間がルキアを助けに辿りついただけであればことりは目をつむって見過ごしていたかもしれない。しかし常に中法の方に意識は向けていたがことりが四深牢の異変に気付くぐらいだ。おそらく彼女の上司もとっくに気が付いている。

「はやく向かわないと…」

 瞬歩を重ねて中央の方に急いで向かう。やはり知らない霊圧に混ざって白哉の霊圧も感じる。

「千本桜の霊圧…!?」

 もう四深牢も見えてきたころ白哉の斬魄刀、千本桜の霊圧を感じた。彼が斬魄刀を開放するほどの相手だったのか、それとも徹底的に敵を処理するつもりなのか。
 ことりからその姿が確認できるほどまで近づくと、無傷の白哉の前には千本桜の無数の刃に斬られ地に伏している男が見えた。もう止めを刺さずとも明らかに白哉の勝ちが見えているにも関わらず、彼はさらに刀を振り上げていた。

「白哉くん!!!」

 ことりは大きく振り上げられた白哉の腕をつかみ、その剣を止める。

「なんのつもりだ」
「止めに来たの!今無駄な殺しをする必要はないでしょ」
「邪魔をするなことり」
「白哉くん何をムキになってるの」

 自分を止めるものの姿を確認した白哉は、振り向き彼女のことをギロリと睨む。しかしどんなに鋭い視線を向けられようともことりはその腕の拘束を解く気はなかった。憤慨した様子の白哉と睨み合いの拮抗状態が続いたが、そこに新たな男が割って入ってきた。

「おいおい、二人ともそれぐらいにしておいたらどうだい」
「…浮竹隊長」


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