骨の髄まで蕩けてしまえ
自分の口からもれた吐息が随分と熱を帯びていることを自覚する。恥骨から悪寒にも似た震えが背を這い上って吐精したばかりのソレがびくびくと痙攣していた。途端身体に圧しかかる倦怠感に汗の流れる顔を下に向けると、豊かに膨らんだ小麦色の肌も荒く上下している。丸く愛らしい瞳はしっとりと汗ばんだ腕に覆われて今は伺えない。まだ離れるには少し惜しいなと、繋がったままの下腹部を一度手のひらで撫でれば、腕の向こうから青い双眸が覗いた。茫とした視線がサンソンを見上げ、細い首が緩慢に傾げられる。
「……おしまい?」
子どものように舌足らずなそれに不釣り合いな熱を感じて、腰を引くより早く、伸びてきた両腕が首筋に縋りつく。彼が大人しくされるがままにしていたということもあるけれど、体勢はあっという間に逆転して、まだ熱の残る腰に跨がったマタ・ハリは蕩けた瞳をつうと細めた。これは逃げ遅れたなと脳裏が警鐘を鳴らす中、最後の悪足掻きにと乾いた喉を唸らせる。
「……マルガレータ?」
投げかけた名前に、ニイッと三日月に歪む唇は先程まで愛らしく啼いていたとは思えない。それでいて、掠れた声音は最上級に甘かった。
「……まだ足りないの」
だから、ね?
と、ゆるりと動き出したまろやかな腹を前に、観念した彼の喉からは再度熱い吐息がもれた。
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