言ったでしょ、太陽みたいって



 これはあなたに差し上げるわ。
 白いワンピースに身を包んだ、王妃に差し出された大輪の向日葵。黄色の花束を抱えた彼女は夏のお裾分けだとカルデアの廊下を駆けていった。腰かけた窓辺の向こう、けぶる空を背景に咲き誇った花を掲げる。くるり、くるり。回した小さな太陽と一度、目が合った。
「……マタ・ハリ」
「何かごよう?」
 こぼした呼び名に降り注ぐ声。仰いだ視界に逆さまになった彼女の姿が映る。瞬いた陽の目に青空の幻を見て、自然綻んだ唇が君に似てると思って、と呟いた。


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