タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2021/10/08
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「こらこらこらこらこらどこ行くの」
呆れた声と共に腹巻に指を引っ掛けられて足を止める。眉を顰めて振り返れば遠慮なしにぐいぐい腹巻を引っ張る女にやめろと口を開いた。おいやめろ、ほんとに。伸びるだろ。
「どこ行こうとしてたの」
「鍛冶屋」
「そっちには山しかないよ。本当にファンタジスタなんだねえ……」
のんびり呟かれた言葉に眉間の皺を深めた。誰がファンタジスタだ。
「連れてってあげる」
「……おう」
にっこり笑われて、ひとりで行ける、とは言えなかった。ひとりでも行けるが、ひとりじゃない方が早く辿り着くということも不本意ながらよく知っている。こっち、とようやく腹巻から人差し指を離して歩き出した背中にため息を吐きながらついていく。
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「そっちじゃない!」「どうして曲がるの!」「私についてきて!」「ちがうこっち!」「もーーー! ゾロ!!」
疲れ果てた顔でおれの前に仁王立ちする姿に、頬を爪でかく。悪い、と呟けば、まさかここまでとは思わなかったと笑われてバツが悪くなる。
「ほら」
「あ? 金ならねェぞ」
手のひらを差し出されて眉を顰めて言う。鍛冶屋の代金ギリギリしか貰えなかったから、おれの懐にあるのはそれだけだ。呆れられてもない袖は振れない。ナミに言え。
「もう……お金じゃないよ」
「じゃあなん、」
──は?
おれの剣だこだらけの厚い皮膚に柔らかな何かが触れて固まる。見下ろせばさっき腹巻に引っ掛けられていた指が、手が、おれの手をしっかりと握り込んでいて瞬く。
「な、」
「さすがに手繋いでたらどんなにひどい迷子だって迷わないでしょ?」
くい、と手を引かれて自然と足が動く。
「……迷子じゃねェ」
そう呟いて、だけど手は離せなかった。
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