タイトルを考えるのが死ぬほど苦手

 
2021/11/01


「キャプテンが捕まった?!」
「そんなわけないでしょ」

 早く助けに行かなきゃとてんやわんや大暴れするベポを横目にキャプテンが捕まったと大ぼらを吹いたペンギンとシャチをじっとり睨む。そもそも騙す気があるんだろうかというくらいへらへら笑いながら報告しにきた。

「ちゃんと捕まってるぞ」

 ちゃんと捕まってるって何。
 意味のわからないことを言い出した二人に呆れて頭を振る。付き合ってらんない。部屋に戻って本でも読もう。

「待て待て待て待てほら映像電伝虫」

 その声に踵を返した足をとりあえず止めて、ため息を吐きながら振り返る。ちら、と視線を動かした先に見えたのは基地内なのか真っ白な壁と床が広々と見える部屋で海軍に囲まれながら座っているキャプテン。まあ海軍に囲まれてるのは事実らしい。でも座っている、というか、ふんぞりかえってないこれ? 捕まってるとは言いにくくない? 海軍なんかビクビクしてない? よく見ると全員下半身ないじゃん。天変地異が起きたって泣かなそうな怖い顔したおじさんが何人かしくしく泣いてるじゃん。捕まってないじゃん。よく見なくても制圧してるじゃん。

「な? な? 一応捕まってるだろ?」

 一応って何。

「助けに来い」
「は?」

 電伝虫越しに聞こえたキャプテンの第一声にアホみたいに間抜けな声が溢れた。何言ってんだこの人。助けに来いも何も、制圧しきってるじゃん。もうそのまま帰っておいでよ。今日のごはんは焼き魚らしいですよ、よかったね。

「た す け に こ い」

 そんな一字一句はっきり言わなくても聞こえてます。キャプテンの訳のわからない行動は、まあいつものことで、結局逆らう方が面倒。

「あーもうはいはいわかりました」

 ため息をついて白旗を上げた。

「ねえ、シャチ、ペンギン、キャプテンはどこの基地にいるの?」

 キャプテンから視線を外してふたりに問いかけたはずだった。のに。ブン、と静かな音がして視界が眩む。何度も経験したことがあっても慣れない変な浮遊感に目をつむって、開けば目の前にはさっき映像電伝虫で見た風景がそっくりそのまま広がった。

「……これ助けに来たっていいます?」

 呆れた声をあげても満足そうにほんの少し口角をあげているキャプテンには何も響いていないのが手にとるようにわかって今日一の重たく長いため息を吐いた。