タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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これの続き
2021/11/02
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「こッの、……アホ!」
ぐいっ、とお腹に急激に負荷がかかって締め付けられるのと同時に怒鳴り声が降ってきて息が詰まる。ががががが、と岩が削れる音に重力に逆らって頭を音の出所に向ければ、刀を岩崖に突き刺して私をつかまえてくれたゾロがいて瞬く。ゾロの刀はとても切れ味がよくてすぐには止まらず、ががががが、と岩がどんどん削れていく。どんどん落下スピードが緩やかになって、そして、止まる。助かった。
「あ、ありがとう」
「てめェなに自分から落ちに行ってんだこのバカアホボケ!」
ほっと一息をついて感謝の言葉を述べたのも束の間怒涛の罵倒が降ってきて体が強張る。ごめんなさい、とすら言えない剣幕に固まってしまった。全面的に私が悪い。
「なんで自分から落ちた。あいつらになんか言われたのか、どいつだ」
普段のゾロとは打って変わって私が口を挟む暇もなく矢継ぎ早に質問責めにされる。その間に私とゾロを通り過ぎてルフィかサンジくんにでも吹っ飛ばされた敵が落ちていって、べしゃ、と不快な音がした。下に視線を向ける勇気はない。ゾロが来てくれなければ私もああなったことに今更ながら気付いてぞわりと鳥肌が立つ。だけどやっぱり、わかっていてもきっと、体は勝手に動く。
「おい、聞いてんのか」
「ご、ごめんね、ちょっと、その、おとしもの、」
「あ?」
「ゔ」
なにが逆鱗に触れたのか低い唸り声と共に締め付けられて変な声が漏れた。落下を止めてくれた時の衝撃なんかよりよっぽど強い締め付けにゾロの太い腕をタップする。やめて内臓が全部出てしまいます。
「落とし物だァ?! てめェ、ちっと考えたら落ちたら死ぬってわかる崖だろうが! そんなもんのために、」
「ゾ、ロが、……」
「あァ?!」
「ゾロ、からはじめて貰ったもの、だから」
だから、その、とゾロの怒気にしどろもどろになりながら思わずこぼしてしまった。言うつもりなんてなかったのに、そんなもん、と言われてしまって反射的に口が動いた。確かに、そんなもん、だと思う。だけど、私にとっては、ゾロに恋する私にとっては、ゾロが懐を痛めずに手に入れたものでも、なおかつゴミを捨てるように寄越したものだとしても、はじめてゾロが私にくれたものだから。だから、
「……おれがいつお前になんかやったよ」
こうしてゾロが覚えてなくても、私の宝物だということには変わりはないから、だから、ぎゅっと大事に大事に握り込む。
「いいの、ごめんね、ありがとう」
これは正真正銘、私だけの宝物。
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