タイトルを考えるのが死ぬほど苦手

 
これの続き
2021/11/02


「"百花繚乱"!」

 ロビンちゃんの美しく強く通る声が頭上から聞こえて、そしてふわりと柔らかな何かに包まれて体がぽよんと跳ねる。あれよあれよという間に百本の腕が崖に花開いて、ロビンちゃんの美しい腕に包まれながらエレベーターのように快適に崖をのぼっていた。とすん、と地面にお尻がついてぱちくりと瞬けば目の前にはいつも笑顔のロビンちゃんがいつものように優しげな笑顔を浮かべて私を見つめている。

「あ、ありがとう」
「どういたしまして」

 とりあえず、一番最初に言うべき言葉はお礼で。いつものように優しく返事をしてくれるロビンちゃんの声が震えていて、崖から落ちていたときにすら震えなかった胸がぎゅと恐怖に震えた。

「何を拾いに行ったのかしら」
「そ、」

 れは、と言葉に詰まってしまう。

「それは、あなたが飛び降りてでも、死んででも、守りたいものだったのかしら」

 それ、とロビンちゃん本人の指が私の手の甲を指差して、触れて、ロビンちゃんが震えていることがわかって目を見開く。

「その手の中には、それはそれは大事なものが包まれてるんでしょうね。だってあなたが自分の命と天秤にかけてでも拾いに行ったんだもの。さぞ価値のあるものなんでしょう?」

 皮肉たっぷりに笑った、はずなんだと思う。歪に歪んだ笑顔は今にも泣きそうで、ロビンちゃんの声は涙に震えていて、息を呑む。
 私が一番にしなければならなかったのは心からの謝罪だった。

「ごめ、ごめんね、ロビンちゃん、」
「っ、」

 戦いを終えたみんなが集まっておろおろと慌てているのがわかっても、わんわんと抱きしめあって泣きじゃくる私たちは涙を止めることができなかった。