タイトルを考えるのが死ぬほど苦手

← →
2026/06/08 ゾロ
確定した未来・火傷する舌・置き忘れた仮面
※ボツ
※現パロ
※喧嘩

▼
 右側から声をひたすら流し込んでくる不愉快なナンパにとにかくスマホを見ることで無視をして待ち合わせ相手を待っていたのに、左側から今度は声がして思わず苛立ちに顔をあげて固まった。

「おれの連れになにか用か」

 ぐ、とナンパ男から引き剥がすように肩を抱かれて、反射的に腕を伸ばして距離を近付けないようにのけぞる。のけぞる、のけぞりたいのに、力強いなこれ。これ以上逆らったら私の腕が正反対に折りたたまれそうで諦めた。ナンパ男が一瞬怯んだ気配に視線を向けて、それでも尚つっかかってくる勇気にちょっとだけ見直した。この顔に突っかかれるのすごいな。それくらい図々しく馬鹿じゃないとナンパなんてできないからか、そっか。

「彼氏? でもさ〜めちゃくちゃ遅刻してんじゃん、そんな彼氏よりおれのほうがいいと思うんだよね」
「あ゛ァ?」
「彼氏じゃないです」
「あ?」

 頑張ってつっかかってくるナンパ男に思わず訂正してしまう。だって、なんか、それはそれで不愉快だった。ゾロの威嚇が私にも降ってきた気配を感じたけどナンパ男からもゾロからも逃げるようにツンと顔を逸らしてもう一度。

「彼氏じゃない」
「なあんだ、じゃあやっぱおれでいいじゃん」
「あんたはもっといや」
「っ、そ、そんなこと言わずにさ〜」
「……別れたつもりねェぞ」

 ナンパ男と目も合わせずやりとりしていた私の耳に、低く唸るようなゾロの声が気聞こえて眉を顰める。

「……別れたつもりはねェ」
「二回言われても彼氏じゃない」
「彼氏だ」
「ちがう」

 ぐ、と肩を強く掴まれて、更に引き寄せられる。それでも顔は上げない。ナンパ男はなんだかオロオロし始めていて、それでも立ち去らないから本当に図々しいなこいつ、なんて思考が逸れる。

「……彼氏だろ、なァ」
「ちがう。私ナミちゃん待ってるの、関係ない人はどっか行って」

 ふん、とスマホをぎゅっと握りしめて決別の言葉を吐いたはずなのに。

「ナミからここの場所聞いた。お前の待ち合わせ相手はおれに変わってる。関係ない人じゃねェ。あとおれは彼氏だ」
「…………ナミちゃんに売られた!!」

 手の中のスマホを見下ろして、トーク画面でにこやかなグッドスタンプをナミちゃんから送られてきているのを見て叫ぶ。売られた! 友達に! くそ! ナミちゃんのばか!

← →