タイトルを考えるのが死ぬほど苦手
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2022/03/06
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「サンジくん、今日はもうお風呂入って寝るだけ?」
「うん、アッ、その前にレディとお話しするって一番大事な時間が追加され、」
しゅっ。
「ふわっ?!」
レディが高く腕を上げたのを視線で追う間もなく頭上からミストが降ってきて、おれの渾身の口説き文句が途中でかき消された。おれの上から降ってくるミストに目を白黒させていれば楽しげに腕を下ろしたレディが手に持っているものに気付いてミストの正体が甘い匂いの香水だということがわかる。香水を吹きかけてくるなんて可愛い悪戯に思わず顔もニヤけてしまう。
「いい匂いでしょ?」
「うん、レディみたいに甘い匂いだ。えぁ待って別にそんなやらしい意味じゃなくってレディは香水をつけててもつけてなくてもいつだってすごくいい匂いでその」
にこにこ楽しそうに上がっていた口角が、もきゅ、と狭まっておれの心からの賞賛のつもりだった言葉が気持ち悪かったんだろうかと焦る。言い訳を紡げば紡ぐほど変態くさくなってしまってレディと同じようにきゅ、と唇を結んで固まってしまう。どうしよう。せっかく可愛らしい悪戯をしてもらえたのに、おれの返答のせいで変な空気になってしまった。変な意味じゃなかったのに。これが日頃の行いか。くそ。まあその、やらしい目でも見てしまっているから、聡明なレディに伝わってしまっただけか。くそ。
「……お揃い、にしたかったんだけど、やっぱなんかちょっと違うね」
「えっなんですげえ嬉しい何が違うの?!」
おれの言動はいつものことだと流されたのは助かったような、少しも意識されていないことに残念なような複雑な気持ちになったのも束の間レディが手に持っていた香水をしまおうとして思わず食い下がる。だってせっかくレディがお揃いにしようと思ってくれたのに。
「今日のごはんの匂いとタバコの匂いと海の匂いが混ざり合ってるのがサンジくんって感じだから」
晴れやかな笑顔で確信を持って言われた言葉に打ち抜かれて思わず膝を折る。可愛すぎて苦しい。急に床に崩れ落ちたおれに優しいレディが心配してそばにしゃがみこんでくれた拍子に香水の匂いと混ざってレディの匂いがふわりと香る。
メシの匂いとタバコの匂いと海の匂いの他にも、いつかレディの匂いもおれの一部になる日が来ればいいのに。
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