Odei

汚泥/メモとクソ

char
リンク
ミファー! と、叫んだ。俺だったのか、リンクだったのか、わからない。びっくりしたように振り向く。きみは、俺たちを見つめてもう一度だけ笑った。
「だいじょうぶ。だいじょうぶだよ」
 ゆっくり、相手の気持ちを思いすぎているほどにやさしい声音できみは、きみは、

「世界がほんとうにキラキラと光っていて俺はびっくりしたんだ、それだけだ」
「置いていくなよリンク、俺はきみと一緒じゃないと俺ではなくなっていく」

いくら記憶を取り戻しても、きみはもうアレには戻れないんだ。いくら過去をねじ曲げて、いくら歴史を書き換えても、俺たちはずっと此処にいる。リンクは笑った。
「百年ってすごく途方もないよ、知っている人はみんな居ない。姫様もそれは同じではあるのだけれど、俺にはその百年がすっかり抜けていて、」
 リンクはぱたんと横になった。土の上にも迷いなく転がるのはどうかと思うし、きっとあの頃はこんなこと、しようと思うことすらなかっただろう。夜空は遠かった。
「でも、大丈夫だ」
 同じことばを口にしている自覚はきっとない。俺に器も涙もなくて良かったよ。死んでしまうほど泣き続けてしまったかもしれないから。


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