通学路を肩を並べて歩く。
いつからか追い越されてしまった身長。
彼に話しかければ自然と首が傾いた。
「焦ちゃんのクラス、いい人たちが揃ってるといいね」
相変わらず本人からの返答はない。
緊張しているのかな。
心なしか表情も硬い気がする。
「焦ちゃんは身長が伸びたね!」
「……ああ」
「焦ちゃんはブレザーが似合うね!」
「……」
「焦ちゃんは……」
「彩海」
彼が突然足を止めた。
緊張をほぐそうとたくさん話しかけてしまったから怒らせてしまったのだろうか。
顔が俯いているから表情は読み取れない。
ゆっくりと彼の腕が私の方へと伸びていく。
「うるさいから静かにしろ」
「!!」
こつん、という音ともに額に走る鈍痛。
突然デコピンをくらい私は顔を思わず歪めた。
「行くぞ」
彼の口角はわずかに上がっている。
ああ、似ている。
やっぱり、あの人の笑顔にそっくりだ。
「待ってよ、焦ちゃん」
先に行く彼の背中は、少しだけ大きくなっているように見えた。
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