その話が浮上したのはあまりにも唐突だった。

「なぁ、ヨリ。頼みがあるんだけど」

 客足も無くなり始め、そろそろいいだろうと店を閉めた深夜の頃。やり残していた食器洗いと洗濯物を今のうちに済ませ、ようやく居間に腰を下ろす事が出来た幼馴染の彼から息をするようにぽろりと声を掛けられたものだから、少しだけ油断をしていたせいもあってか戸惑って変な反応をしてしまった。普段通り、心地の良いゆっくりめの声と口調に欠伸を零しながら、ふにゃふにゃとした柔らかいふわふわと浮いた軽い声で答えた。

「ほぁ…何だよ、畏まって」
「いや、その…明日さ、ちょっとナワバリバトルに付き合ってくれないかなと思って」

 瞬時に聞き取った、ナワバリバトルという単語を耳にして思わず重い瞼がぱっと開いては溜息を吐いてしまった。

(ナワバリバトル、ねぇ)

 この世界で生きるインクリングはある程度大人になると、皆決まってハイカラシティへと赴いてはナワバリバトルに重んじる、なんて常識はあるようでないような暗黙の了解で、実際、小さい頃からそんなものに興味がなかった自分が何かしらに携わった事もなければ挑戦してみようと思った事も無いと知っているはずだというのに、それでも目の前の男は相変わらず軽い気持ちで誘ってくるものだから堪らず頭を悩ませた。

「お前な…今まで興味なかったもんを、この年になって今更やれって言われても困るんだが」
「今から興味持てばいいじゃないか」
「あのなぁ、俺達幾つだと思ってんだよ。とっくに三十過ぎてんだぞ、今更バトルなんかちまちまやってどうす…」
「詳しくは分からないんだけど、明日は特殊なルールでちょっとしたトーナメント大会みたいなのをするらしくて」
「お前今、人の話聞いてた?」

 どうやらこの野郎は何としてでも、ナワバリバトルに無縁である自分を引き摺ってでもその大会とやらに連れて行くつもりらしい。しかし、そう有無を言わさぬ態度でなんとしても話を押し進めようとする珍しい幼馴染に違和感を覚え、これは何か裏があると察知し思い当たる節をそっと問いかけてみた。

「もしかして…また赤字か、ここ」

 びくりと震える心臓と共に揺れた体はなかなかに正直なもので、顔を覗けば目が泳いでいるその怪しい表情に何かしら隠している事は一目瞭然だった。嘘をつけない性格は昔から変わらないままらしく、自覚はあるのか一息溜息を吐いては素直に頷くと、落ち着きを無くし始めた彼はぼそぼそと隠していたものを呟き始めてたのだった。

「えと、その…そういう訳ではない、事もないけど…あぁもう、そうじゃなくて!」
「言いたい事があるならハッキリ言え、ハッキリ!」
「………実は来週の日曜日さ、リンの誕生日なんだよ」
「へ? …あぁ、なるほど。幼女の誕生日、ねぇ…」

 そう小さく肩を落としながら話す幼馴染のバトル参加理由が、意外と真面目な理由であった事に実を言うと驚いていた。尤も、彼が看板娘を実の娘のように心から愛しているというのは、彼女と幾日かを過ごしていくうちに自然と強く感じてはいた。小さな体が日々成長していく様を見守るような優しい眼差し、昔よりも更に穏やかになった笑顔、頭を撫で抱き締めるその様子は本物の親子とそう変わらないもので。

(コイツもコイツなりに、頑張ってるって事か)

 血の繋がりはなくとも大切な存在に親と同じ愛情を注ごうとする幼馴染を応援したい気持ちは勿論あるものの、バトル経験のない上、ただでさえ大会などという人目に多く付くような場に出たいという気持ちは残念ながら一ミリたりとも無い。

「プレゼント、買ってやりたいならもっと他の方法あるだろ。わざわざそんなメンドクセーもん出なくたって」
「いや、それがさ。リンちゃんが行きたいっていうから…」
「どこへ」
「いや、あの…最近流行りの…なんだっけ。ス…スイ……なんとかパラダイス」
「もしかして、スイーツ食べ放題の事言ってる?」
「あぁ、そう。それそれ」

 ハイカラシティよりニ駅ほど離れた街の中、駅を出てすぐ目の前に佇むイカしたガールに大人気のスイーツ食べ放題ショップが最近若い者の中で流行しているようで、予約でさえ何ヶ月先の分もなかなか取れない程に客足が途絶えないとテレビの特集で一度見かけた事がある。その予約を取らずにいつ来店しても食べる事のできる招待チケットをこぞって欲しがるインクリング達が多数いるようだが、滅多に出回っていないレア物らしくネットオークションなどでも高い値段で取引をされているようだった。

「…もしかして、チケットか。賞品」
「そう。優勝するともらえるんだって、四人分」
「はーなるほど。参加したヤツらに一枚ずつ渡るようになってるのか」

 そんな貴重な代物をナワバリバトルで優勝すれば手に入れる事ができるとなれば、恐らくスイーツ好きのガール達はこぞって参加するだろう。日頃小さいながらに頑張っている看板娘に、誕生日くらい少しまともなプレゼントをあげたいという気持ちも分からないでもない、と言えど。

「んー…そうは言っても、よりにもよってナワバリバトルか…」
「頼む! この通り!」
「…バトル初心者の俺に頼むより、そういうのに慣れてる客のヤツらと一緒に行ってきた方がいいんじゃねぇのか」
「それも考えてはみたけど…一緒に行ってくれそうな知り合いなんて、マサキくんくらいしか…」
「あっー! 待て、待て待て待て! 分かった、俺が行く! 一緒に行ってやる! だからアイツとだけは二人で行くな!」
「へ? あ、そう。いいの? やったー」

 マサキ、という聞き慣れた名前を聞いて慌てて引き止める自分がまた滑稽で少し恥ずかしい。しかし、こればかりは絶対に譲れないところなのだから致し方なかった。そう自分に無理矢理にも言い聞かせては、一度倉庫に放り投げては寝かせていたままだったホクサイ・ヒューを取りに慌てて長い廊下を裸足で走り抜けたのだった。


***


 インクリングの象徴とも言えるナワバリバトルに嗜んだ事はほとんどない。誰しもが十四歳になる日を今か今かと楽しみに待っていた充実した日々の記憶など、子供の頃の記憶を思い返したところで一つもなかった。
 初めてブキをこの手に掴み、幼馴染に背中を押されイカスツリーへと足を踏み入れたのは実に一ヶ月にも未だ満たない。それなりに歳を重ねた今、改めて若い連中と混ざり合いながらバトルをするとは思いもしなかったし、実際するつもりなんてなかった。事の切っ掛けはやはり隣りでぼうっと突っ立っていた幼馴染である同い年のボーイであり、窃盗なんてするより余程効率的に儲けられると無理矢理腕を引っ張っては強制的に参加するよう言い寄って来たのも彼だった。
 知る人ぞ知るブキ職人だったという彼の祖父が生存していた時に作られていたホクサイをこれまた勝手にホクサイ・ヒューへと生まれ変わらせるべく、顔見知りだったブキチに頼み(嫌々なところを無理矢理に)改造をしてもらい、性に合わないサブウェポンのビーコンをスプラッシュボムへと替えてもらった。
 そしてついに後日、わかばTを着た見知らぬ子供のボーイと共に繰り広げられた、人生で初めてのナワバリバトルは勝手が分からず右往左往してしまい、なかなか思っていた通りには上手くはいかなかったものの、なんとか味方チームの協力も経て無事に勝利を収める事も出来、その日を境に多少なりともナワバリバトルの楽しさを理解できたような気もする。しかし、儲かるか儲からないかと言ったら答えは勿論ノーだった。まるで話が違う。儲かるからバトルをする、ただそれだけが条件だったというのに、たった三分間、されど三分間必死にホクサイ・ヒューをぶんぶんと振った挙句、貰えるおカネがほんの数千エンではまず体力の方が持たない。

「こ、の野郎ッ! どういう事か説明して貰おうかぁあっ」
「わっ、ちょ、バ…違、違うの! 儲かるっていうのは、もう一個の方だから!」

 ただただ体だけが疲労していく毎日に積もる苛立ちも最高潮に達し、両肩を掴んでがくがくと元凶である幼馴染に詰め寄ってみると、どうやらある程度ランクが上がればこれまでの自分のウデマエを試す事の出来るガチマッチとやらに参加出来るようになるらしい。勝てばウデマエ数値も増える上に多額のおカネも手に入る、しかし負けてしまえば数値は減りおカネもほとんどもらえない、というナワバリバトルと比べると少しシビアなルール設定となっているようだが。
 しかし、こちとらウデマエが上がろうが下がろうが特に関係はない(後々、そのウデマエが一度にもらえる報酬に差があると教えられ、どうしてもっと早く言わないんだと詰め寄る事となる)。とにかく、ナワバリバトルよりも効率良くおカネを手に入る事が出来れば特に問題はなかった。
 その話を聞いて再び闘志を燃やした後日、ようやく無事にランクを10まで上げる事が出来たのだが、到達した途端に燃えていたものが急に消沈してしまった。謎の達成感に浸ってはそれ以来イカスツリーへ出掛ける事も次第に減っていき、気付けば二週間もの間ホクサイ・ヒューを握っていなかった事実をつい先程になって思い出した。
そして、久しぶりのナワバリバトルとなる大会当日。雲一つないサイコーのナワバリ日和となった今日、会場であるイカスツリーのロビーの中へとやる気満々で出向いた途端、その目の前に広がった光景に堪らず開いた口が塞がらなくなると同時にがっくりと二人して肩を落とす羽目になる。
 廊下の壁に張り出されたポスター、そこには先日幼馴染に見せてもらったものより今大会のルールの詳細が表示されており、誰しもが目の引く程に大きく箇条書きされた、即日追加されたらしい特別ルールに思わず絶句した。

「…こ、今大会はギア限定ナワバリバトルとし、イカセーラーホワイトもしくは、ブルーを必ず着用して参加する事。尚、アタマ、クツのギアは自由と、する…」
「………」
「……帰るか」

 正直なところ、堪ったものではない。何故いい年をした中年二人がよりにもよってセーラー服を着て、ただでさえ人目の多いところで心に傷を受けそうな羞恥を晒さなければならないのか。そんな辛い目に遭うくらいなら、元々勝てるかどうかさえ分からないバトルに無理して参加する必要などない。一気にやる気を失った重い体を、踵を返すように背を向けてさっさと広場へ出ようと足を進めると、突然回された腕に首を締め上げられ、そのまま引きずられながら再びロビーの奥へずりずりと連れ戻されていく。

「お…おい、マゴ! お前、どういうつもり…」
「行くぞ、ヨリ! んなもん、一回慣れちまえばこっちのもんだ!」
「ちょ、おま、う…嘘だろ? んな馬鹿な考えは、やめっ…んぐっ! 首、首締ま…うえぇ」

 どこかの誰かさんの為なら何とやら。恐ろしい程に一度決めた意志を曲げる気のないいつにもなく強い精神力を持った幼馴染に、今回ばかりは内心で拍手喝采を贈った。とは言え、巻き込まれた側からすれば今からやろうとしている事は自滅行為以外の何物でもない。

(チクショー、こういう時は決まって頑固なんだからよー!)

 呼吸困難に陥りそうになるのを必死に耐えていると、いつの間にか二人分のレンタル専用イカセーラーホワイトとブルーを小脇に抱えた幼馴染は、ずしずしと足音を立てながら廊下を走り抜いては参加者の集う更衣室のドアを捻ったのだった。


***


「なかなか似合ってるね!」
「今一番言われたくないです、その台詞」

 押し付けられるように嫌々ながらも深いブルーのフクを着た幼馴染である彼の今の姿は、どうなる事かと思いきや意外にもその体型にはよく似合っている(フクが似合っているとは言っていない)。アタマはいつも掛けている愛用のオクタグラス(イカパッチンをおすすめしてみたがそればかりは頑なに拒まれた)、フクは存じ上げた通り、イカセーラーブルー、そしてクツはちょっとお洒落にミルキーダウンブーツ(格安レンタル)を可愛さのアクセントに履かせてあげた。

「いいんじゃないか、若々しく見えて」
「女装して若く見えるってなんだ」
「女装じゃないよ。これ、ボーイも装備できるギアなんだから」

 と、説得の言葉を並べてはみたものの、正直なところ女装と言われても過言ではないのが現実である。それは自身の格好も他ならぬもので、アタマはいつも通りのエゾッコメッシュにフクはイカセーラーホワイト(色違い、というだけで何か只ならぬ負のオーラを感じる)、クツはこちらも可愛らしさをプラスしてみようと思い、看板娘がいつも履いているものと同じ型のピンクビーンズ(格安レンタル)をセレクトした。我ながらぶっ飛んだ格好をしているという自覚はあるが、ここまで来たら中途半端に飾らずやるなら本気で挑むのが男というものだと思う。

「はぁ…これでバトルするとか。やる気がなくなったとか、最早そういう次元じゃねぇ…」
「他のみんなだって同じような格好なんだから、何も恥ずかしがる事なんてないよ」
「そうやって無駄にポジティブになるの、ほんとやめて」

 窮地に立たされた時は覚悟を決めて堂々とするべし。
 既にこの世を旅立ってしまった彼女の口癖をふと思い出しては小さく苦笑する。参加する意思を見せてしまったからには仕方がない、と言わんばかりに溜息をつき、小脇に抱えていたバケットスロッシャーを胸に抱くと控室にバトル開始五分前のアラームが響いた。
 今回の大会は二人タッグのランダムチーム編成で、バトルが始まるまではどのタッグと同じチームになるかは分からない。試合は一度のみ、ナワバリバトルに勝利したチームの中で四人分の塗りポイント合計が一番多かったチームが優勝となる。その為、勝つだけではなくそれに併せてなるべくたくさんの範囲を塗って行かなければ結果的には優勝にまで手が届かなくなってしまうので、普段のナワバリバトルよりも視野を広く持ってバトルスタイルを確立しなければならない。ある意味、塗りが全て。どれだけやられずに塗り続けられるかが重点ポイントとなる。

「うっし! そんじゃま、ちゃっちゃとキメちま、う…か……?」
「…あらら、どうも」
「へ…? あ、マ、マゴさん!? それに、ヨリさんも…」
「………」

 試合開始直前、リスポーン地点でイカの姿からヒトへと形を変えたその瞬間、同様にその場所へと浮上してきたのは、確かに見覚えのあるどころか以前から面識のある銭湯の常連客であるップアップカモのボーイ(実に残念ながら、今はイカセーラーブルー。しかし、着るに耐え切れなかったのか、なんとその上からジップアップカモを上着で着て隠している。素晴らしい発想だ。こちらもそうすれば良かった)とその相棒であるガチホワイト(誠に残念ながら、今はイカセーラーホワイト。上着は着ていない。潔い。少し似合ってるなぁ、と思ってしまったのは秘密だ)のボーイだった。
 前者の彼は幼馴染と再会をする前からよく銭湯を利用してくれている貴重な存在だった。若い割にはかなり落ち着いている大人びたボーイで、顔を合わせる度によくバトルやその他諸々の話をする程度に交流は多い。そして、隣りでスプラスコープを担いでいる水色の瞳が印象的な物腰柔らかいボーイはそんな彼の友人で、最近は連れられるように時々二人で店へと遊びに来てくれるので、あまり会話をした事はないもののその顔と存在はしっかりと覚えていた。
 まさかの鉢合わせと互いの酷い格好に驚きと込み上げてくる笑いに思わず吹き出しそうになるも、必死に平静を装い思わず飛び出しそうになった声をなんとか飲み込んだ。

「はっはっは、なかなかひっどいね」
「いや、ほんと…そう思います」
「今日はどうして?」
「…多分ですけど、恐らく似たような理由かと」
「ほう…なるほどねぇ」

 心当たりはあった。有難い事に普段から仲良くさせて頂いている、看板娘と年の近い元気いっぱいの可愛らしいガールがふと目に浮かび、男二人でデザート食べ放題に行きたい、という事は彼らに限って有り得ないのだろうから、つまり一番甘いものが好きそうな彼女の為に仕方なく大会に参加する事になった、といったような、最早後戻りのできない状況になってしまったのだろう。

「大変だねぇ、君も」
「いえ、そんな。でも俺、嬉しいです。初めてですよね、タッグ組むの」
「あぁ…そういえば、そうかな。今回に限ってはナワバリバトルだけど」
「いいじゃないですか。これが本来の形ですし。まぁ…二人はあんまり納得いってないみたいですけど」

 ちらり、と振り返っては後ろで何やらがちゃがちゃと言い争っている(しかし声は一つだ)二人を横目に見ると、相変わらず仲が良いのか悪いのか、いつものようにぶつかり合いが絶えないようで、どすどすとミルキーダウンブーツで足踏みをしながらジップアップカモのボーイに突っかかる彼に思わず苦笑した。

「…何で地味にそれらしく着てる」
「俺に聞くな! コイツに聞け!」
「この人に頼まれたら絶対に拒めないアンタも、なかなか滑稽だな」
「うるせえよ! オメーにだけは言われたくねぇわ! てか、なんで上着羽織ってんだよ、卑怯だろ!」

 それにしても、まさか知り合いと同じチームになってしまうとはひとつも思っておらず、フク以外のギアは普段通りの二人に対し妙に見た目を重視してしまった点が今更になって少し恥ずかしく思えてきてしまった。しかし、そんな謎の気分高揚による失態はさておき、それ以上に気になる事がひとつ、海を挟んで向こう岸の相手側リスポーン地に浮上してきた四人も、どうもどこかで見覚えのあるメンツで何故だか気になって目が離せない。視力はあまりいい方ではないので、目を細めてじっとそちらを見遣ると、その中のガールらしき一人がぴょんぴょんと跳ねながらこちらに向かって手を振っているのが見えた。

「…誰だ、あれ」
「ん? どうかし……げっ! あ、あのボンボンニットはもしかして…」

 よく耳を済ませるとどうやら聞き覚えのある元気いっぱいの声にその存在が誰であるのかようやくピンときた。その周りにいる三人のインクリングもどうやら見知った顔ばかりのようで、こんな偶然があっていいのかどうかは分からないが、今回ばかりはどうやら色々な意味で厳しいバトルになるだろうと悟る。

「…こりゃあ、なかなか手は抜けなさそうだぞ、ヨリ」
「え、なになに。どしたの」
「チッ…面倒なヤツらと当たっちまったな」
「おーい、焼きイカちゃん! それ以上前出ると落ち…落ちた」
「ちょっと! 知らないの俺だけ!? のけ者にしないで!」

 颯爽と海へと落ちていった彼女とその周りでゲラゲラと笑うイロメガネ、呆れたように項垂れるサファリハット、そしてただひとり心配そうに見下ろすイカパッチンを眺めながら、この先波乱の予感しかしないギア限定ナワバリバトル大会にどっぷりとした重い溜息を零すしかなかった。




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