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JOJOsslog

メローネ/ロマンス・サガ
メローネ、結婚するってよ。ホルマジオは雑誌を捲りながら、世間話をするみたいに言った。余りにもなんでもない風だったので、最初は聞き逃し、改めて問い返した。「マジで」すでにうんざりしている様子だった「相手は」「おっぱいのでかい女」「嘘だろ」「今朝リゾットに報告してた」「嘘だろ」「嘘じゃねえんだよなぁ」


 
花京院典明/giggle
承太郎は記憶の中にある少女たちの会話にそっと聞き耳を立てるのが好きだった。若かった頃、一族の宿命のために旅に出た承太郎に同行した仲間であり友人だった彼らは、同じものを好きになり、熱く語った。仲間外れにされた感覚もあったが、概ねは見ていて愛おしかった。二人のことを思い出すと仄かに笑みをした。


 
ミスタ/キスの日
「なんでキスしたの」
返答によっては殺そう。
ホルダーに差し込んだ小銃を手に、問いかける。
その昔、メロドラマにはまっていた父は「君がいたから」と言った。
模範的な回答だと思う。ミスタはちょっぴり困った顔をしていた。
あと三秒黙ってるなら撃つ。右手に力を込めた。「お前がかわいいって思ったら、ついしたくなった」


 
ホルマジオ/猫
ふと思い出して、猫を食ったことあると呟いた。
ホルマジオが不気味なものを見るような目でこっちをみている……。


 
ジョルノ/験担ぎ
ミスタほどではないが(誰にもあそこまでいけば明日にでも神様に会えるだろう)、私は験担ぎする質だ。犬の糞を踏んだら運がつき、身近で7が三つ並べばラッキーと考える。その日は幸運だと思ってしまう。
指先にもぞ、と触れるものがあって、視線を落とすと、ぶらりと下げた薬指に赤いてんとう虫が止まってる。
「……運命だ」そう呟くと、ジョルノは不思議そうに聞き返した。
「何がですか?」
「てんとう虫」
「え?」
「運命なんです。私の」
「ふうん」


 
ミスタ/かわいい悪魔
ミスタの恋人はいつだってかわいい。天使の可能性がある。今日は紺のシャツと白のスカートを身に付けている。右手の薬指にはティファニーの指輪をつけていた。新しく見たやつだ。「それ、買ったヤツ?」「貰ったの」「誰に」ミスタはにやけた顔を強ばらせて尋ねた。恋人はニッコリ笑った。「お友達」



リゾット/このあと別れる二人
「7年、あなたと一緒に働いてきましたが、生活水準は低いし労働環境は最悪だったけど――それでも悪くないなって思えるくらいには楽しかったですよ」
「そうか。俺はそうでもなかったかな」
「そこは"俺もだ"って言うところですよ、まるっきりの嘘でもね」



メローネ/
「暇だから夢のあること言ってよ」
「昨日、フィレンツェの空を飛ぶ豚を見たんだ。夢じゃないぜ」
「面白い。六十点をあげよう」
「ありがとう」



プロシュート/
普段から、恋人の存在が見え隠れしていた。柔らかい黒髪から漂うホワイトムスクの臭い、男物のTシャツ、写真。それらを苛立だつが、指をくわえて見ることしかできなかった。「世界一幸せな男はどんなヤツなんだ?」唇を酒に湿らせ尋ねた。すると、女は照れたように笑いながら「優しい人」と答えた。ああ、殺してやろうか


メローネ/
ピエタの聖母のような顔をしながら、慣れない手付きで殺す女をぼうっと眺める。出会い方が違っていたら、育った環境が違ったら、もしかしたら一生出会うことはなかったかもしれないし、あるいは近所が羨むおしどり夫婦になっていたかもしれない。そうしたらきっと自分はこの女に毎日愛していると言って、抱きしめるのだろう



「giggle」
くすくすと笑う

202306/30

ALICE+