キャンディーヌ
夢を、見た。
夢の中で、何故かアメリカで暮らしていた。お姉ちゃんとは何故か双子じゃなくて、歳が少し離れた姉妹になっていたし、バイト先はファミレスみたいな規模のピザ屋だった。
私は学生で、劣等生らしく先生になっていたまこの授業をサボっては見つかって首根っこ掴まれて連れて行かれる……そんな毎日だった。
……そんななかで、バイトで遅くなって、近道を通っているときだった。急に目の前が明るくなって、目を細めて光のもとを探す。光の中で、目を閉じて京が立っていた。
夢の中の私はそれが京とは気づかないで、ただ眩しそうに見つめるしかできなかった。ふっと京の目が開いて、細い指が私の頬に触れて、何かを京が呟いた。でもそれは聞き取れず、曖昧に返事をした。
それから、宇宙人らしい京に隠れ場所を探してあげたりして過ごしていたのだけど……。
「K.T.ト……鈴火……ハ……ツガイ……。」
「へぇ!?」
突然のことに混乱しつつ、聞いてみればあの時呟いた言葉はストレートに求愛の言葉だったらしい。それに頷いたから、うんと言ったから、ツガイになったのだと。
「んぅ……?」
鈴火はふっと目を覚まし、目を擦りながらなんの気なしに天井を見上げたが、そのまま固まった。自分の部屋ではない、当然進の部屋でもない。隣で何かがもぞりと動くのを感じ、視線をそちらに向けてまた固まる。
「京ぉ……??」
隣で寝ていたのは京だった。
混乱する頭で必死に昨日のことを思い出し、打ち上げに参加したときに珍しくたくさん飲んでしまい、一番家の近かった京の家に泊めてもらったことは思い出した。そう一人悶々としていると、不意に抱き締められ顔を上げれば眠たげな顔で見つめる京と目があった。
「きょ……、」
「……まだ……朝早い、から……もう少し……寝よう……。」
「……う、ん……。」
宥めるように言われれば鈴火はこくんと小さく頷き、京に抱き寄せられたまま、暖かさにウトウトしだした時だった。
「……だろう……?」
「……?」
「鈴火は……俺と、ツガイに……なってくれるん……だろう……?」
その言葉に夢が蘇り、あれは夢のはずと顔を再び上げれば先程の眠たげな顔から一変し、真剣な表情で京は自分を見つめている。
「京……、」
「……『俺の花嫁になってくれませんか?』。」
それは、夢の中で言われた求愛の言葉。
鈴火はただ、京を見つめるしかできなかった。
end?
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作成:17/11/8
移動:20/8/31