ピンクグレープフルーツキス

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「き、黄瀬君は……」
「もちろんあるっスよ」
「そ、そうなんだ……」

 あれ。ちょっとショック受けてる? 気のせい?
 先輩はうつ向いてて表情は見えないから分からないけど。しばらく沈黙が流れた。それにしても暑い……窓開ければ少しは風が入るだろうけど今はオレと先輩だけの空間だからそれを壊したくない。先輩の汗と混じった甘い匂いがエロすぎる。
 ねえ先輩、今何考えてんの?

「えっ」
「小さい手っスね」
「……黄瀬、君?」

 ずっと握りしめられていた先輩の手を掴んで指を開く。少し汗ばんでて小さくてすべすべしてて、先輩も女なんだなぁって思った。

「キス」
「え?」
「キス、してみます?」
「黄瀬君? 何言って……」

 ジリジリと距離をつめれば先輩も同じようにジリジリと後ずさる。残念先輩、後ろは壁があって逃げられないっスよ。
 壁に背中が当たった瞬間の先輩の逃げられないって歪んだ顔、すっげーゾクゾクした……いじめたくなるじゃん。先輩の泣き顔も、そそるんだろーねきっと。やば、オレってSだったのか?

「き、黄瀬君……ふざけないでよ……」
「ふざけてないっスよ。本気っス」
「だからって……こんな……」
「先輩はオレとキスしたくないんスか?」
「そう言うんじゃなくて……ちょ……」
「なら、してもいいんだ?」
「あ……」

 先輩の肩を掴んだ。細い肩。やっぱり先輩は女なんだなぁ。
 少し震えてる。それは怖いから? それとも緊張してる?
 伏せられた瞼に、意外と長い睫毛。閉じられた唇はピンク色で柔らかそうで、そんで何か甘そう。

「先輩、顔上げて」
「……駄目だよ、こんな……私達、友達じゃん……」
「でも、キスから始まる恋もあるんじゃないっスか?」
「え……?」
「あ、やっと顔上げた」

 また顔を伏せようとしたからオレは咄嗟に先輩両頬を手で挟み込んだ。先輩の甘い匂いに頭がおかしくなりそう。
 先輩は赤くなっている顔を歪ませて泣きそうな、そんな表情をしてる。だから、そう言う顔が男を煽るって何で気づかないかなぁ……。
 オレは鼻がくっつくくらい顔を近付けて先輩を見つめる。先輩はキョロキョロ視線をさ迷わせていて、お構いなしに先輩の唇を奪ってやった。やっぱ女の子の唇ってちょー柔けー。

「ふ……」

 合わせた唇の隙間から吐息が漏れた。
 ぶっちゃけオレもそこまで経験豊富っつー訳でもないから唇を押し付けるような子供みたいなキスだ。意外とチャラくないんスよ。唇を離せば先輩はまだ目をギューッと閉じたまま身体をガチガチに強張らせてる……ホント、可愛すぎでしょ。

「先輩のファーストキス貰っちゃったっスね」
「あ……え、あ……」
「ぶはっ……キョドりすぎっスよこはる先輩」
「だ、だって……キス……本当にするから……ばか……」

 先輩は顔を伏せてオレのシャツをギュッと握ってきた。何それ、無意識なのかもしんないけど期待するじゃんそんな事されたら!
 気づいたらオレは先輩を抱き締めていて、先輩の抵抗を無視してスカートの中に突っ込んだ手を太股に這わせていた。
 ねえ、先輩。どうしようか? どうする? それともどうされたい?
 オレって遊びたい盛りの十六歳だからさ、すっげー興味あるんだよねキス以上の事。先輩とシたくてしょうがないんスよ。早くオレの事気になり出してそんで好きになってよ……それまで我慢できるかわかんないけど、ね。
 だからこはる先輩、とりあえずもっかいキスさせて下さいっス。
黄瀬君も実は何だかんだまだキッスまでの経験値だったらいいなと言う妄想の産物。もっと青臭い感じにしかった。 Title/sappy(2017/4/7)


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