
愛してるゲーム
Page 1 of 4 私は今誠凛バスケ部部室のベンチに座っていて、向かいには火神君が座っている。火神君からは並々ならぬやる気と闘志を感じて私は変な汗をかいていた。
な、何でこんなことになっちゃったんだろう……――。
遡ること三十分ほど前。
面白いことをやっているから部室に来ませんかと黒子君からメールが来て、気になった私は部室にお邪魔したのだけど黒子君の言っていた面白いこととは今巷で流行っているらしい“愛してるゲーム”の事だった。
ルールは相手に愛してると言って言われた方はもう一回と返す。愛してる以外にも色々な愛の言葉を言って相手が照れたり笑ったりしたら負けと言うシンプルだけど色々と試されるゲーム。ましてやバスケ部はリコ先輩以外全員男子だけだし、しかも負けたら練習三倍と言う罰ゲーム付きなんだって……黒子君は火神君に余裕で勝ったそうだ。
そんな火神君は今にも死にそうな顔をしてゲームする土田先輩と降旗君を見ている……本当に嫌だったんだろうなぁ。あれ……み、水戸部先輩はどうなったんだう……?
と言うより誰が始めたんだろう……何となく小金井先輩っぽそうだなぁ、とは思うけど。
「あ、愛してる」
「もう一回」
「愛してるっ」
「もう、一回……」
「愛してる」
「ぶふっ……」
「……っしゃあー!」
「はぁ〜い、土田君練習三倍ご案なぁ〜い」
「い、嫌だぁぁー!!」
うーん……地獄だね、これは。
でも申し訳ないけどシュールすぎて笑ってしまいそう……!
「ぶくくっ……」
「あら、こはるちゃん……随分余裕じゃない?」
「えっ……!? リ、リコ先輩!?」
堪えきれずに吹き出してしまったらリコ先輩が勢いよくこちらを振り返り、不敵な笑みを浮かべていて私は背筋に寒気を感じた。もう嫌な予感しかない。
「あ、えっと……お邪魔そうなので私はこれで……」
「んふふふ〜。逃がさないわよ〜!」
「ちょ、わ、私関係ないっ……!」
「この場にいる時点で参加してるも同然よ! そうねぇ……火神君と勝負してみない? 火神君も勝ったら練習三倍はなしにしてあげる」
「えぇっ!?」
「えっ、マジでっ!? ですか!!」
「ちょっ、火神君もノらないでよ!」
「三倍回避出来るんなら何だってやってやる!」
ええ〜……そんな本気モードになるくらい三倍がキツいってこと?
体力が有り余ってそうな火神君ですら怯えるくらいだから相当なものなんだろう、きっと。
で、リコ先輩に強制的に座らされて冒頭に戻るわけよ。
どど、どうしよう……そもそも何で相手役に火神君を選んだの!? 他にも負けた先輩だっているのに……何でよりにもよって火神君なんだ!
もしかしてリコ先輩、私が火神君の事好きだって気付いてる!?(※火神以外全員気付いてる)
「ホラホラ〜、いつでも始めてもらっていいわよ〜。んふふ〜」
リコ先輩……そんなに楽しそうに笑わないで下さい……今はその可愛い笑顔が悪魔にしか見えません。
そして結局、なし崩し的に私まで愛してるゲームをやることになってしまったのだ……。
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