愛してるゲーム

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「つーかお前等オレ達の存在忘れて二人だけの世界作ってんじゃねーよ! シバくぞ!」

 日向先輩の一声に私と火神君はハッと我に返った。
 そうだ、ここはメンバー全員が揃った部室だと言うことを忘れていた。現実に引き戻されて、治まりかけていた熱がまた一気に上がっていくのが分かる。どうしよう……どんな顔したらいいのか分からなくて頬がひきつる。

「見てるこっちが恥ずかしくなるわ……なぁ水戸部」
「(コクコク)」
「でも良かったじゃないか、お互いの気持ちに気付けたんだし」
「て言うかあんた達、とっくに両想いだったってことじゃない……あーあ、何かムカつくから三倍取り消しはなしね。んふふ、五倍、頑張ってね火神クン」
「なっ、ちょっ、五倍って増えてっ!?」
「ボクも賛成です」
「黒子テメっ!」
「しゃっー、練習始めんぞー」

 先輩達からの矢継ぎ早な冷やかし(木吉先輩は大真面目)に本気で溶けてなくなりたいと考えるほど恥ずかしくて仕方ないけど、でももっと御愁傷様なのは隣で絶望的な表情を浮かべている火神君だな……五倍がどれほどの地獄なのか私には分からないけど火神君の表情を見れば三倍より相当なものなんだと分かる。
 私達以外全員が出ていった部室はガランと広くてとても静かだ。

「あの……ごめんね……」
「別に佐藤のせいじゃねぇよ……つか五倍って……」
「えっと……」

 私のせいじゃないって言われても少なからず私にも原因はあるし何て声をかけようか迷っていたら左手が熱に包まれた。それを見やれば私の左手は火神君の大きな右手と繋がれていた。
 私の手はすっぽり隠れてしまっていて、確かにこれだけ大きければバスケットボールも片手で掴めるよなぁ。

「……体育館まで、これくらいはいいだろ」

 繋いだ手をジッと見られて恥ずかしくなったのか、火神君は目を逸らして視線をさ迷わせている。

「私は火神君にだったらこれ以上のことされてもいいよ?」
「はぁっ……!?」

 火神君の目を見つめながらそう伝えてみたら自分から手を繋ぐと言う大胆なことをしてきたくせに、髪に負けないくらい耳まで真っ赤になっている。そんな彼を見て私は込み上げる嬉し笑いを堪えるのに必死なのだった。
書いてて思いましたがヒロインは別にバスケ部のお姫様とかではなく火神君、黒子君繋がりで先輩たちとも親しくなったって感じです。(2017/08/24)


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