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Epilogue
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「何か、すごい顔だね」
「す、すごい顔!? か、仮にも彼女に変な顔とか、相変わらずストレートですね……はは……」
「No! ウサギみたいに目が真っ赤で、でもそんな君も可愛いって事だよ……はは、オレ、自分で思っていた以上にこはるに夢中になっているみたいだね」
「……貴方は私を殺す気ですか……」
私は氷室さん……た、辰也さんの王子様発言に一人悶絶する。
最強の殺し文句をそんな可愛い照れ笑い付きで言わないでくださいよ……!
屋上からの帰り道、私は辰也さんと手を繋いで階段を降りていた。繋いだ手は大きくてバスケをやっているとは思えないくらい指はしなやかで細いと改めて思った……それに引き換え、ずんぐりむっくりな自分の指が恥ずかしくて本当に泣きたい。
でもこの手はもうすぐ離さなければならない。二年生の階だし秘密の関係って訳ではないけれど、やっぱり氷室さんは人気者だからこんな姿皆見たくないだろうし……。
「本当はね、教室でアツシと話してるこはるを見たときヤキモチを妬いてたんだ」
「えっ……」
「何だか分からないけどこはるがアツシの頭を掴んでいたからね。こはるに触っていいのはオレだけなんだぞアツシって、心の中で叫んでいたよ」
「あれは……その、紫原君に相談してたんですが他人事扱いするからつい……」
「それなら教室に行ったらアツシにお返ししちゃおうかな」
「えぇっ……ぼ、暴力は良くないですよ暴力は……」
マイルドヤンキーの異名が頭を過った。
もしかして、あながち間違いではない……?
「あーあ、オレも一年生になりたいなぁ。そうしたらずっとこはるの傍にいられるのに」
私ももっと傍にいたい。ますます敵を増やしてしまいそうだけど。私なんかより可愛い子もたくさんいるから心移りされてしまうんじゃないかって毎日落ち着かなくなりそうだなぁ……。
「あの、辰也さん……手……」
「手? どうして離さないといけないんだい?」
「え? だって……」
階段を下りて二年生の教室が見えてきた。私は手を離そうと握っていた手から力を抜く。でも辰也さんは離してくれる気配はない。促してみたけどWhy?と流暢な発音で首を傾げられてしまう始末……。
「こはるはオレの彼女だし、オレはこはるの彼氏なんだから離す必要なんてどこにもないだろう?」
「でも……」
「誰にも何も言わせないよ」
そう言って辰也さんはさらにギュッと握る手に力を入れる。ちょっと泣きそうになったじゃないか……私もまた辰也さんの手を握り返す。
私も伝えなきゃと、辰也さんの手を引いて階段の陰に身を潜めて壁に寄り掛かった。
「実は私も……昨日、バスケをしている辰也さんを見てヤキモチ妬いてました……」
「Really?」
「辰也さんが女の子とハイタッチしてるのを見たとき……やっぱり一緒に行けばよかったって。自分で行かないって断ったくせにバカだなぁって……」
「オレはプレイしてる間中、ずっとこはるの事を見てたよ」
「えっ」
隣を振り返れば氷室さんが優しい笑みを浮かべて私を見ていた。繋いだ手にまた力が入る。まさか、ずっと見られていたなんて……と言うより気付いてたんだ……。
「目が合ったときすごく嬉しかったのに逸らされちゃって、しかも何だかあまり良い予感のしないメールも来たから今日まで気が気じゃなかったよ……そうか、こはるもヤキモチ妬いてくれてたんだ。嬉しいなぁ」
「そりゃ……好きだから、辰也さんのこと……」
「いいね……もう一回言ってくれないかな?」
「も、もう一回……?」
「こはるから好きって言ってもらえるなんてなかなかないからね。駄目かな?」
「うぅ……」
上目遣いでそんなお願いするなんてズルい……やっぱり辰也さんは年上なんだって当たり前のことを実感した。この人には敵わないや。
「す、き……です……」
「……ふふ。本当に可愛い。それこ言葉で言い表せないくらい」
「……私は恥ずかしすぎて消えてなくなりたいです……」
「これからはたくさんキスが出来るね」
「ぶっ……えぇっ!?」
「さっきしたばかりじゃないか。まだ恥ずかしいのかい?」
「あたっ、当たり前じゃないですか!」
さっきしたばかりって、私はあれがファーストキスだったんですが……!
私がキスに慣れることはもしかしたらこの先来ないかもしれないってくらい恥ずかしかったし!
恥ずかしくてうつ向いていたら肩を抱き寄せられて、顔を上げたら氷室さんの顔が近付いてきて私はまた固まってしまった。
I Love youと囁かれて何となく、氷室さんと来年の秋も余裕で迎えられそうな気がするって、そう思えた。
私は一体何を書いているんだろうと悟りを開きながらひたすら打ってました。私の中ではそこそこの糖度を誇るお話です。だから言ったじゃ〜ん(どや顔)と紫原君からからかわれてしまえばいい。 Title/
sappy
(2017/4/6)
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