終わりのピリオドと始まりのスタート


朝の日差しが私の顔を照らす。

眩しさに目を開け、瞳の中に光と影を交互に入れ、目を鳴らしたところでゆっくりと目を開けた。


「ん、んーー……」


昨日は周りの連中に合わせて酒をいくらか飲んだから、頭が少し痛む。
酒は好きだが私は幾らか酒に弱い気がする。


「…………え?」


思わずベッドから起き上がった。

私の服装は変わらず白のブラウス、黒の短パンに黒のタイツ。そしてその上に黒のローブを着ている。

しかし戦ったせいで、服はボロボロだったはず。
それなのに何故、新品同様なのか。
それに部屋が全く違う。
まるでマグルの部屋ではないか。


確かマグルの友人が同じ部屋に住んでたなぁ……。
それにインテリアとか少なくない?ソファとテーブルと、時計しかない……テレビというやつは……無いな……殺風景すぎない?




というかここどこ…………?




「はい……?」




▽△▽△▽




よし、状況を整理しましょう。



まず一つ。

服は変わってません。
しかしボロボロから新品に変わりました。



さらに二つ。

起きたら場所が違う。部屋が違う。
何だこのベッド、私のじゃない。




原因候補一、拉致られた。


原因候補二、異世界に来た。



このどっちかな……でも拉致られたのならさすがの私でも分かるし……それに拉致なら縛られたりするはず……ならばこれはいわゆるトリップ……?


「とりあえず……外出てみよ……」


杖は太股に付けている杖ホルダーの中に仕舞ってある。
何かあれば大丈夫だ。生憎私は魔法騎士団。そこら辺の魔法使い相手なら余裕だ。


玄関まで行くと、ご丁寧にトリップ(?)する前に履いていた革靴まで置いてあった。

鍵はどこにあるか分からなかったから、魔法で扉が開かないようにする。



ローブを着直し、門を開ける。
外から見直すと、案外自分の仮(?)の住まいは大きかった。


とりあえず人通りの多い通りを行きましょう……。

ここがどこだか分からないと不安だしね!!