7 MEN 侍とプリン

「なんかすっごい甘い匂いすんだけど……」

事務所内を移動中、凄く甘い香りが辺りに広がってて首を傾げた。昔、家庭科の授業の前後とかで嗅いだことのある匂いに似てた気がした。

菅田「あ! 奏多くん!」

声を掛けてきたのは琳寧だった。てかよく見たらカメラいっぱいいるじゃん。YouTube撮ってた?

「え、あ……、ごめん。撮影中だった?」
嶺亜「撮影中だよー。何勝手に入ってきてんの」
矢花「いやもう終わってるから」
「どっち?」

矢花と嶺亜の意見が食い違う。いやたぶん嶺亜が嘘言ってるんだけど。今日、エイプリルフールじゃないんだけど。ちら、と克樹を見ると「終わってます!」と返された。うん、だよね。そんな気がしてた。てか皆何食べてんの?

佐々木「ん。ほら食え食え」
「え、何? 食べていいの?」
嶺亜「ついでに奏多さ、食リポしてよ」
「無茶ぶりすぎない?」

大光がスプーンを差し出してくれたけど、その間に克樹が盛り付けてくれた。バケツプリンらしいけど……、でかすぎじゃない? 食べかけのそれと嶺亜の顔を見比べ、自信なさげに頭を掻く。

「こういうのは俺より阿部ちゃんのが上手なんだけど……」

ひと息ついて、それっぽいモードをつくる。……とは言っても私もあんまり食リポしたことないから緊張するんだけど。

「すっごい甘くて、バニラの良い香りがする。んじゃあ……、いただきます、ね?……ん! んー、んー! 美味しい! これだけ大きいと味もぼやけちゃうかと思ったけどそんなことないんだね。ちゃんとプリンの味してる。カラメルがさ、ちょっと香ばしくなってていいね。めっちゃ美味しい」
佐々木「それ作ったの俺! 俺ー!」
「……こんな感じで大丈夫でしょうか?」
嶺亜「まあー、及第点?」
今野「琳寧のよりは良い」
矢花「厳しすぎない?!」

ありがとうございます、と頭を下げ、残りのプリンもいただく。今、少年忍者とかあの辺りのジュニア見かけたら声掛けてあげたいくらいプリンが美味しい。なんだか懐かしい味がする。

「ほんとに美味しいね」
嶺亜「作んの大変だったけどね」
「動画上がる?」
嶺亜「上がる上がる」
「楽しみにしてる」

後日、上がった動画の感想を嶺亜に送ったら、琳寧がでっかい声で「奏多くんありがとー!!」って言ってる動画が送られてきた。


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