翔太くんと香水
今日は、SixTONESとSnow Manによる『少年たち』の合同稽古。
田中「おつかれー」
「おつかれ」
体育座りで天を仰ぐ私の隣に腰掛けたのは樹だった。ふわりと香るバニラの匂いはおそらく樹のものだろう。
「樹っていい匂いするよね、香水?」
田中「え、そう? 俺、今すげー汗臭いよ?」
自分の腕の匂いを嗅ぎながら樹は首を傾げた。甘い匂いって好き嫌い分かれそうだけど樹のは本当にいい匂いがする。
田中「てか奏多は香水とか付けねえの?」
「うーん、俺そういうの疎くて。いいのあったら教えてほしい」
田中「じゃあ試しに俺の使ってみる?」
「え、いいの?」
田中「いいよ。後ろ向いて」
首と服の間にプシュッと香水が吹きかけられる。樹のと同じ甘い匂いが自分からもしてなんだか変な感じがした。
「なんか樹の方がいい匂いな気がする」
田中「そう? まあ人の匂いってそれぞれだから、合う合わないはあんじゃない?」
「なるほど」
田中「時間経ったらもうちょい馴染むと思うし」
そんなもんかぁなんて思いながら慣れない匂いを楽しんでいると稽古場のドアが開き、飲み物を買いに行ってた翔太くんが入ってきた。
渡辺「なんか甘い匂いすんだけど」
私を見下ろしたかと思えば、その場にしゃがみこみ、首筋に鼻を近付けてくる彼に言葉を失ってしまう。
「翔太くん、俺汗臭いよ」
渡辺「うるせえ。つーか、お前からンな甘ったるい匂いしたってガキ感増すだけだぞ」
「樹の香水なんだけど」
渡辺「樹は色気あっからいいんだよ」
「俺だって……これから色気出るかもしんねーじゃん」
渡辺「ねえな」
隣にいる樹を放ってヒートアップする私たち。翔太くんって変なとこムキになんだよね。まあ、私も人のこと言えないけど。
岩本「はい、そこまで。奏多も翔太も」
宮舘「奏多はまだ17なんだし。まだまだこれからだよ」
大人しくなった私と翔太くんをほかのジュニア達はただ静観していた。まあでもメンバーは「またか」くらいにしか思ってないだろうけど。
タイミングが良いのか悪いのか、先生たちも戻ってきて練習が再開された。
「え、待って翔太くん」
渡辺「何?」
「いや、なんで?」
渡辺「……お前もうすぐ誕生日だろ」
20歳の誕生日、翔太くんから有名なブランドの香水をプレゼントされるのはまた別のお話。