舘様とお昼寝

「……は? 意味分かんない」

目の前にある課題とにらめっこを始めて早いものでもう30分以上の時間が過ぎていた。こんな日に限って頼りになる阿部ちゃんもいない。それどころかほかのメンバーすらまだ来ていない。

宮舘「おはよう。奏多だけ?」
「舘様おはよう。うん、まだ俺しか来てないよ」

暫くして、開いた扉から入ってきたのは舘様だった。

宮舘「それ宿題? 大変だね」
「そう。阿部ちゃんいつ来るかな」
宮舘「どうだろう。夕方には来ると思うけど」
「……まだまだだね」
宮舘「ね」

舘様が私の隣に腰掛けて課題を覗き込む。でも、見てるだけで答えを教えてくれるわけでも解き方を教えてくれるわけでもない。

「ギブ。阿部ちゃんに教えてもらお」

シャーペンを置いて大きく伸びをすると「お疲れ様」と舘様が笑った。

宮舘「おいで」

彼はとんとんと自分の膝を叩いて私を招いた。戸惑いながら、彼の膝に頭を乗せれば「よしよし、いい子」と頭を撫でられた。

「……ん、それ、眠くなる」
宮舘「寝てもいいよ。皆来たら起こすから」
「お願い……します……」

朝から仕事をしてたせいか、課題で頭を使いすぎたせいか疲れた身体は休息を欲していた。舘様の匂いも、髪を撫でる手つきも、優しい声音も全部が心地良いおかげで、あっという間に瞼は落ちきってしまい、私は夢の世界へと誘われた。


深澤「おはよーってだてさんだけ? あれ、奏多寝てんじゃん」
佐久間「え、しの寝てんの! やばい、舘様羨ましい!」
宮舘「しーっ、まだ時間あるからもう少し寝かせてあげて」
佐久間「あっ……! ゴメン……」
「ん……ぅ……すぅ……」


暫くして私が目覚めた時には既にメンバー全員揃っていて、舘様と私の周りに集まっていた。

「……ん、なんじ」
宮舘「おはよう、よく寝てたね」
佐久間「あ! 奏多起きた!」
渡辺「アホ面」
「ん……うるさっ」

まだエンジンの掛かりきらない脳ではさっくんやふっか、翔太くんの話に対応できず、ふわふわとしたまま聞き流すことしかできなかった。舘様は絡まった私の髪を手櫛で梳いてくれた。

「あ、舘様ありがとう。凄くよく眠れた」
宮舘「俺も、可愛い奏多が見れて楽しかったよ」

凄く安心して眠れたからまたしてほしい、なんてことは言えなくて、二人の間に少しだけ沈黙が流れた。あ、課題忘れてた……。阿部ちゃんに教えてもらわなきゃ。

宮舘「いつでも俺のところに帰ってきてくれていいからね」

阿部ちゃんを探そうとした瞬間に、舘様がそう静かに呟いた。ふわりと微笑まれ、ぽんと軽く頭を撫でられる。顔から火が出そうになった。そんな私を見てさっくんが騒いだり、翔太くんが突っかかってきたりしたせいで、課題が上手く進まなかったのは言うまでもない。


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