川島「Snow Manの佐久間大介さんでーす」
佐久間「よろしくお願いしまーすっ!」
今日はアニメソングをランキング形式にして発表する番組の収録。MCは麒麟の川島さんでひな壇に集まってるメンバーも錚々たるもの。その中に俺が混ざれるなんてほんと光栄。
んでも、俺が気になってるのはそれだけじゃない。
川島「京本名前さんです。えーっと、京本さんもアニメ好きなんですか? そういうイメージないんですけど」
「よろしくお願いします。小さい頃からずっと見てて……、今日もどの曲がランクインするのか楽しみで仕方ないです」
川島「京本さん的に、この曲入っててほしいなぁってのありますか?」
「最近のだとやっぱり鬼滅の刃の……、LiSAさんの炎が強いのかなぁと。でも、LiSAさんならAngel Beats!の一番の宝物が本当に素晴らしくて……、あぁでも声優の坂本真綾さんの歌声も好きで……、カードキャプターさくらのプラチナとか、マクロスFのトライアングラーとか……、名曲中の名曲入ってたら嬉しいです……!」
川島「はい、この人ガチです」
んははっ、昔から変わってないなぁ。ずーっとLiSAさんと坂本真綾さんが好きなの、名前は。……なんで知ってるかって? んだって、俺ら幼なじみだもん。大我と俺と名前、あと俺の兄ちゃんと弟でよく鬼ごっことかしたからなぁ。懐かし。んで、名前がアニオタになったのはたぶん俺のせい。いやむしろ、俺のおかげ?
気付いたら新進気鋭の女優として華開いていて、キラキラと輝いている彼女と、まさか同じ場所に立てるとは思ってもみなかった。
「あ……!」
佐久間「うわ、ここ!」
ランキングの途中で、LiSAさんの特集が挟まれる。一番の宝物と共にAB!の有名な告白シーン、60億分の1の恋が流れる。ぐっと心を掴まれるシーンで、涙を流す名前。静かに頬を伝う涙は誰よりも綺麗で目を惹かれた。
川島「京本さんいかがですか? って泣いてるやん!」
「……あのエンディングで、LiSAさんの力強い歌声が何よりの勇気になるんですよね。あのシーン、何回見ても泣けてきて、すみません。ほんと、ひなユイ尊い……」
川島「どんどん京本さんのイメージが良い意味で変わってきてますけど、佐久間くんはどうですか、この曲」
佐久間「いやぁ、僕も大好きな曲でぇ、あのシーンはやばいです! もうキュンキュンも止まらないし、切ないしで……!」
とにかく大好きなシーン。本当は俺が日向になりたいくらい。でもひなユイはひなユイだからこそ尊い。
スタッフ「はい、カット! 以上で撮影終了です!」
「「「お疲れ様でしたー!」」」
「お疲れ様でした、ありがとうございます」
川島「いやぁ、ほんまにアニメ好きなんすね」
「はい! なかなかこう……あまりそういうお話をする機会に恵まれてなかったので、今回この番組に呼んでいただいて本当に嬉しかったです」
川島「またなんかあったらよろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします!」
にっこりスマイルを川島さんに向けてる名前へ熱視線を送る。だけど名前は気づいてないみたい。楽屋へと戻る途中の名前を追いかけた。
佐久間「名前!」
「……あ、大介くん!」
佐久間「んへへ、久しぶり」
「久しぶり〜! 白蛇:縁起観たよ〜!」
佐久間「んぇ?! ほんとに!?」
「本当だよ。声優さん豪華すぎるし大介くんちゃんと声優さんしてて泣いちゃった」
佐久間「ありがと! 超やばかったでしょ」
「うん! 大介くんは凄いね」
佐久間「え?」
突然の言葉にびっくりした。ふにゃりと笑みを浮かべる名前の顔を覗くように笑えば「いろんな夢、叶えてて凄い」と呟かれた。
マネージャー「名前ちゃん、次の仕事あるからそろそろ……!」
「あ、はーい! じゃあ、またね」
佐久間「あ、連絡先だけ聞いてもいい? 今の、知らないから」
「えっと、ちょっと待ってね」
マネージャーさんらしき人が「名前ちゃん!」ともう一度彼女の名前を呼んだ。
「……ごめん! もう本当に時間ないみたい。お兄ちゃんだったら大介くんの連絡先知ってる、よね?」
佐久間「あ、うん! 大我は知ってる」
「じゃあ、お兄ちゃんに教えてもらって連絡するね!」
そう言い残して名前はマネージャーさんの方へ駆けていった。忙しいんだなぁ。その後ろ姿に「連絡、待ってる!」と言って、俺も楽屋へ戻り次の現場へ移動する。テレビではよく見かけるけど、次いつ会えるかはわかんない。だから早く、名前から連絡が来るのを待った。