2019年8月8日。俺にとって、人生を変える大きな日になった。Snow Manとして9人で来年の1月にデビューが決まった。胸が熱くなって、コンサートが終わってすぐ、バタバタしてる中をぬって少しだけ、裏に来てた彼女に会いに行った。
「あ、辰哉くん」
深澤「ごめん。すぐ行かなきゃなんだけど。顔見たくなった」
「ううん。忙しいのにありがとう。デビュー決定おめでとう」
深澤「ありがと。やっとデビュー出来るわ」
「長かったね」
深澤「ん、長かった」
「でも、これからだね」
深澤「そうだね」
これからも、俺に着いてきて。ずっと傍で俺を支えて。そう言おうとしたのに、こういうときなかなか言葉って出てこないんだよね。柄じゃないってのもあるかもしんないけど。
「あのね、私、辰哉くんに言わなきゃいけないことある」
深澤「……何?」
「別れたい」
深澤「は?」
「別れてほしい」
深澤「なんで」
「ごめん」
深澤「理由、聞かないと、なんも言えなくない?」
「辰哉くんが、遠くに感じるから」
深澤「は?」
「ずっと、思ってたんだ。どんなに近くにいても、心が遠くなるの。だから、ごめんなさい。私と、別れてください」
頭を下げられて、言葉を失った。何それ。聞きたいこといっぱいあったけど、遠くから照に「ふっか」って呼ばれて、悩む間もなく「分かった、別れよ」って言うしかなかった。
「ありがとう。元気でね」
俺を見送る彼女の泣きそうな顔に、俺までつられそうになった。でも、泣いてる暇なんてない。泣いてなんかいられない。
岩本「なんか話してた?」
深澤「んや、いいの」
岩本「さっきの、名前でしょ」
深澤「ん、まあ、そうなんだけど」
言葉を濁したら、もっさんはそれ以上聞いてこなかった。有難い。気持ちの整理も出来ないままに、忙しい日々が続いた。