ある日の佐久間くん

時刻は午前2時。俺の夜はまだまだこれからだー! と言いたいところだけど、さっきので今期分は追いついちゃって見るものがない。どうしようかな、と考えていると、こんこん、と部屋のドアが遠慮がちにノックされた。

佐久間「はーい?」

開けてみれば、そこに立っていたのは奏依で。シナモンを抱きかかえたまま、少し困った顔をして「入っていい……?」と遠慮がちに尋ねてきた。

佐久間「どしたー?」
「……なんか、変な夢見ちゃって」
佐久間「あらら。怖かった?」
「……うん」

ぎゅっとシナモンを抱きしめる力が強くなるのが見てとれる。怯える奏依をぎゅって抱きしめて「大丈夫、大丈夫」となだめてやる。

「……さっくんの部屋、電気ついてたから、来ちゃったけど、アニメ、見てた、よね?」
佐久間「んーん。大丈夫。そろそろ寝よっかなーって思ってたし」

テレビを消して、ベッドに腰かける。「ほら、おいで?」と奏依を呼べば、俺の横にちょこんと腰掛けてくれた。んふふ、かぁいい。

佐久間「寝よっか。ほら、お布団入りますよ〜」
「ん、寝れるかな……」
佐久間「大丈夫、大丈夫。佐久間さんとっておきのおまじない知ってるから」
「おまじない……?」

電気を消して、2人で布団に入る。奏依を抱き寄せて「しのがよく眠れるようなおまじない」と呟きながら、額にキスを落とす。瞼にも、頬にも。ちゅっ、ちゅっと何回も。もちろん、唇にもと思ったらそこはシナモンでガードされた。

「……恥ずかしい」
佐久間「んふふ、恥ずかしがってんのもかぁいい。おやすみ、しの」
「おやすみ、さっくん」

瞼が閉じるのと同時に、彼女の唇を奪う。ちゅっ、と触れるだけのキスだけど、甘酸っぱさは何倍にも膨れ上がった。ぱちりと目を覚ました奏依が「さっくん……!」と恥ずかしそうな声を出しているのを聞いてくすくす笑いながら「もっかいする?」なんておどけてみた。そしたら奏依は俺の予想を上回って「……ぎゅって、したい」って言葉を返し身を寄せてきた。ねぇ、俺らの姫様可愛すぎない? ちょっとこいつ邪魔だなって思いつつもシナモンごと奏依を抱きしめて眠りにつく。
今度はいい夢見れますように。そう願いながら。