ある日のラウールくん

「ただいまー」
ラウール「おかえり!」
「ラウ、ただいま」

ぎゅうっと抱きつくと「汗くさいよ?」って奏依ちゃんは笑った。全然そんなことないのに。シャンプーの匂いと、優しい香水の匂い。いつもと変わらない奏依ちゃんの匂いに安心すら覚える。

「勉強中だった?」
ラウール「あー、うん。でも気にしないで! すぐ終わるし」
「頑張ってね」
ラウール「うん! あ、今日の晩御飯係、奏依ちゃんだったよね?」
「うん、そうだね」
ラウール「今日の晩御飯、何?」
「ふふ」
ラウール「んー?」

奏依ちゃんは俺の耳元に唇を近づけて「ラウールの好きなもの」と言ってくれた。なんだろ、カレー? ……あ、もしかして!

ラウール「唐揚げ!?」
「正解。ちょっと時間かかるかもだから、その間に宿題済ませときなよ?」
ラウール「うん! 楽しみ!」

ほっぺにちゅってして勉強に戻る。宿題なんてすぐに終わって、なんなら明日の授業の予習までしちゃって、もうバッチリ!

ラウール「わ、いい匂いしてきた……」

キッチンへ向かい、奏依ちゃんに後ろから抱きつく。

「わっ、こら。危ないから離れて」
ラウール「はぁい……」
「これ、運んでくれる?」
ラウール「うん!」

嬉々としてお手伝いをする。まるでハロハロのボイスドラマの佐久間くんみたい。今日いるのは、奏依ちゃんと僕と阿部ちゃん。あとしょっぴーだっけ。箸を並べたり食器を並べたり、そんな簡単なお手伝いをして、ついでに阿部ちゃんとしょっぴーを呼びに行く。

渡辺「うわ、すげー唐揚げ」
「いいでしょ」
渡辺「いいけど」
阿部「奏依の手料理って久しぶりかも」
「こないだ当番の時、阿部ちゃんいなかったもんね」
阿部「クイズ番組の収録だったんだよね」
ラウール「俺、奏依ちゃんの唐揚げ大好き!」
「ラウールいっぱい食べていいよ」
ラウール「やったあ!」
渡辺「いや俺も食うし」

そう言って少食なしょっぴーが僕と張り合って唐揚げを食べていた。奏依ちゃんが絡むと途端に皆バカになるというか……。そんな僕らを見て奏依ちゃんは嬉しそうに笑ってたからまあいっか。