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リンから『今から向かうね!』と連絡があってから、俺はコンビニを出て学園の方へ向かった。途中でリンと合流してそのまま帰る予定だった。そのはずだったんだけど、リンの姿が見えないまま校門まで戻って来てしまった。いつも帰る道だから迷うことも無いし、忘れ物でもして校舎に戻ったのであれば何かしら連絡があるはず。何も連絡が無いのはおかしい。校門に併設されている警備のおじさんがいる小屋へ行って、リンがここを通ったか聞いてみる。アイドル科にいる女の子があんず先輩とリンだけということもあって、警備のおじさんも目に留まりやすいから覚えてるよ、と15分くらい前に通った事を教えてくれた。それは丁度リンから連絡が来た時間とほとんど同じタイミングだった。もしかしたら気付かずにすれ違ったのかもしれないと思って、電話をかけてみるけどリンは出なかった。いよいよ様子がおかしい。最近は大丈夫だと思っていたけど、リンは小学生の頃から変に妬まれる事が多かった。そのほとんどがトクサ兄さんの取り巻きの女の人で、トクサ兄さんにバレないようにタイミングを見計らって行動するからとても厄介だった。トクサ兄さんに連絡した方がいいのだろうか…、と悩んでいたら後ろから声をかけられた。
「真白くん?どうかしたんですか?」
「あ、朱桜…とKnightsの皆さん」
「困ってる様子だったけど、何かあったの?」
鳴上先輩にそう問われたけど、素直に答えていいものだろうか。事を大きくして大した事なければ申し訳ないけど…、でもやっぱり心配だしリンを見かけたかどうかだけでも聞いてみることにしよう。
「実は、リンと連絡取れなくなって…。皆さん見てないですよね?」
「残念だけど、私は控え室で見たっきり見てないわ」
「俺も見てないけど」
「俺見たよ。15分くらい前かな、見たことない女の人と一緒だったよ」
朔間さんの弟さんのそのセリフに俺は嫌な予感が深まった。
「俺、目はいいからねぇ。見間違いではないよ」
「あの、すみません。お忙しいのは知っているんですけど、リンを探すのを手伝ってくれませんか!?」
「なんなの、急に」
「お願いします!!」
リンがプロデュース科に来た理由を、先生達は特に何も言わなかったけど、俺は小学校の頃から知っているからもしかしてと思っていた。だけどリンも俺に何も言ってこないし、考えすぎだったかなと思い始めた矢先にこの不穏な空気。
「リッツ、リンたちどっちに向かったんだ?」
「あっちの林の方に行ったけど…。探すの?」
「……その見たことないっていう女の人、昼間リンに言いがかり付けてた奴かも」
月永先輩の一言でKnightsのメンバーも顔が一瞬で曇る。月永先輩の言っていた昼間の出来事はリンから直接聞いてないけど、リンの事だからまた1人で我慢しているんだろう。『夢を叶える為』に。
「Knightsの皆さん、お願いです。どうかリンを探し出してください」
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