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 なまえが病院に運び込まれたという知らせを受け、それまで今後の予定について話し合っていた柱間と扉間は血相を変えて火影室から飛び出した。
 病院へ行き居場所を尋ねると、受付の女はその顔ぶれに目を丸くしながらも治療中なので今は会わせられないと答えた。「治療室か」と扉間が呟き、二人はそこへ向かう。
 当然と言うべきか入口の前にはマダラがいた。壁に背中を預けたまま一瞥をくれる彼に柱間は怯むことなく歩み寄る。

「なまえが怪我をしたと聞いた。……一体何があった」

 マダラは床に目を落として答えようとしない。人通りのない廊下に静寂が広がり、扉間は少し離れた所から二人の様子を窺った。
 なまえに何があったのか。大方の見当はついても詳しいことまではマダラにもわからないのだ。そうとは知らず尚も問い詰めようとしてくる柱間に、マダラは不快さを露わにする。

「おい、マダラ……」
「お前の弟に聞け」

 そう冷たく言い放たれ、柱間は後ろを振り返った。顔をしかめた扉間と視線が合い、どうやら思い当たる節があるらしいことを悟る。
 押し黙る扉間にマダラは目を向けた。反論しないということは、つまりそういうことなのだろう。かまをかけた訳ではなかったが思っていた以上に事情を知っているらしい扉間の様子に苛立ちが募る。
 この男が謀ったのではないか。かつての恨みからそう疑いたくもなった。しかし扉間がそんな馬鹿げた真似をするほど愚かではないことは、忌々しくもマダラはわかっている。
 追及すべきはそこではない。壁から背を離し、鋭い目つきで扉間を見据えるマダラ。殺気さえ感じそうなほど張り詰めた空気に、今はそれどころではないと柱間が口を開きかけた時、治療室から小さな悲鳴が漏れる。
 なまえの声だ。嫌だと言っているようだった。マダラはドアを破壊せんばかりの勢いで開け放ち、中へ飛び込む。
 振り返る医者の男と助手らしき女。その下でなまえがベッドに押さえつけられている。
 余程のことがない限りなまえは声を上げて嫌がったりしない。マダラは制止の声も聞かず助手の女を押しのけてなまえを抱き起こした。

「何をされた」
「……目に何か……」

 目元を押さえる手の下から赤い眼が覗く。無論彼女の意思で発動しているのではない。
 マダラは医者の男に視線を移した。刺し貫くような鋭い眼光に射すくめられ、男は思わず身を固くする。

「術の影響が残っていたから治療しようとしただけだ……」

 震えそうな声で説明した。だが、その瞳の奥にほんの僅かな好奇の色が滲んでいるのをマダラは見逃さなかった。
 なまえの前でなければ殺していたかもしれない。マダラは迫り上がる衝動を抑え込みながらなまえの体を抱き上げる。

「貴様らに預けたのが間違いだった」

 そう言い残して部屋を出ていった。二人の姿が見えなくなると、後ろで身構えていた柱間と扉間はようやくその体勢を解く。マダラが少しでもそういった動きを見せたら止めに入るつもりだったのだ。
 これまで何度もマダラが激昂する様を見てきた扉間には、言葉で責めるだけに済んだこの状況がにわかには信じ難かった。
 丸くなったということは断じてない。この場になまえがいたからだ。彼女の前で凶行に及べば、ただでさえ弱っているところに更なる傷を負わせることになる。自分のせいで殺されたのだとなまえなら考えるからだ。
 扉間は悪い予感を覚えた。あの男にとってなまえは何よりも優先するほど大切な存在なのだ。そんな彼女の命が、今日、里の人間によって脅かされた。
 自分が引き止めていればこのような事態にはなっていなかったかもしれない。軽率だった己を悔やみ、どうかこの予感が当たらぬようにと胸の内で祈った。


 なまえを連れ帰ったマダラは布団を敷いた後すぐに傷のあった箇所を確認した。まともに治療できているか心配で仕方がなかったのだ。しかし最も深かった大腿部の傷も、切れて血が固まっていた唇も、まるで何事もなかったかのように綺麗に治っている。
 問題は目だ。マダラは写輪眼でなまえの目を覗き込んだ。通常の黒い瞳には戻っているが彼女のものではないチャクラが奥に見える。汚らわしくて、できるなら今すぐ取り除いてやりたかった。

「痛むところはないか?」

 写輪眼を戻してマダラは尋ねた。なまえはふるふると首を振って否定を示す。けれども顔色は悪く、決して楽ではなさそうだ。今はとにかく休ませたほうがいいだろう。マダラは布団を広げ、寒くないようになまえの首元まで丁寧に掛けてやった。

「マダラさん、カガミは……」

 なまえははっと思い出して身を起こした。最も大事なことを聞き忘れていたらしい。

「無事だ。心配するな」

 落ち着かせるように優しく答えたマダラ。なまえは「よかった」と心底安堵した様子で呟いた。
 傾いてきた日が辺りを朱色に染め始めた。今日の出来事など嘘だったかのように外は静まり返っている。本当ならこの二人も平穏な時間を過ごしているはずだったのだ。
 不意になまえが目元を擦った。眠たいのか違和感があるせいなのかわからない。マダラはその手を取り布団の中へと戻した。普段は温かいなまえの手が妙に冷えていて、途端に心許なさを覚える。

「……すぐに行ってやれなくて悪かった」

 そう言うと、なまえは眉尻を下げてもう一度首を横に振った。布団の下で手を握り返しながら。
 程なくしてその力が緩み、眠りについたことを知らせた。なまえの過酷な一日はようやく終わりを迎えたのだ。


 翌朝、なまえはいつもと同じ時間に目を覚ました。どれほど疲れていようとも染みついた習慣には逆らえないらしい。
 部屋はまだ暗く昨日よりも肌寒く感じる。もう少し寝てもいいだろうかと考えていると、隣にぼんやりと人の姿が見えて顔をそちらへ向けた。
 マダラだ。昨日最後に見た時と同じ体勢でそこにいる。横になっても誰も咎めないのに、布団も敷かず、ずっとそばについていてくれたのだ。
 じっと視線を送っても気付かないので今は少し休んでいるようだ。折角なら布団を出してあげようと思い、なまえは静かに立ち上がろうとする。

「どこに行くつもりだ」

 すぐさま腕を掴まれ、踏ん張る力も出ないなまえはよろめきながら座り込んだ。恐ろしいほどの反応の速さである。
 触れる指先がいつもより冷たい。自分が肌寒く感じるくらいだからきっと寒かっただろう。なまえはその手を両手でそっと包み込んだ。

「マダラさんも休んでください。私はもう大丈夫ですから」
「……オレのことはいい」

 どこが大丈夫なんだと言うように一拍置いてそう返したマダラ。そして早く横になるよう促すが、なまえはマダラの手の甲にすり、すりと親指を滑らせて暗に不服を訴える。外がもう少し明るければ子供のように唇を尖らせた顔をはっきりと拝むことができただろう。
 折れたのはマダラのほうだった。ただし押し入れから布団を引っ張り出して敷いただけで、再び元の位置にどかりと腰を下ろすのである。
 これで満足か。そんな空気を醸し出す彼の態度。ぽかんとしていたなまえは次第におかしさが込み上げてきて小さく笑い声を漏らす。すると、むっとしたらしいマダラに布団へ押し戻され、大人しく枕に頭を預けるのであった。

「具合はどうだ」
「昨日よりはいいです」
「目を見るぞ」

 マダラはそう言ってなまえの顔を上から覗き込んだ。暗闇に赤の双眸が浮かび、なまえはそれをじっと見上げる。
 写輪眼は憎しみの証だとあの男が話していたのを思い出す。もし本当に扉間がそう語っていたのなら真実なのかもしれない。でも、それは悲しみや苦しみの末に生まれる感情だ。誰だって理由なく何かを憎んだりはしない。
 この眼も今はこんなにも心配そうに自分を見つめている。その優しさは里の皆にも向けられるはずだったのだ。それなのに、恐れられ拒絶され続けるこの男がなまえは不憫に思えてならない。
 無意識に伸ばしかけた手がマダラの髪に触れ、なまえは我に返る。マダラの目がそちらへ向き、再び自分に戻されるのを見て、そろりと布団の中に引っ込めた。直後、腹が情けない音を発し、羞恥で顔が熱くなる。
 布団を手繰り寄せ頭まで被ろうとしているなまえに、マダラは僅かな間目を伏せた。訳のわからぬことをして一人で慌てるという彼女らしい姿に何だか安心させられたのだ。
 食欲があるなら何か食べさせたほうが早く元気になるだろう。朝食を用意してくると告げて立ち上がった彼の口元は微かに綻んでいた。

 その後、大人しく寝て待っていたなまえを起こし、例の如く介助しながらご飯を食べさせたマダラはきっちりと片付けまで済ませて定位置となったそこに腰を下ろした。
 もう朝を迎えたはずなのに障子の向こうは薄暗い。今日の天気はあまり良くないようだ。なまえは天井を見続けるのも退屈になってきて、少し外を開けてもらおうと思いマダラへ顔を向けた時、ドンドンと戸を叩く音がした。
 こんな早くから何事だろうか。マダラは視線だけをそちらに向ける。間を置いてもう一度叩かれ、今度はその後に扉間からの遣いだと言う声も聞こえた。マダラの眉間にしわが寄り、そっと瞼が閉ざされる。どうやら対応するつもりはないらしい。
 しかしそうなればなまえが代わりに動こうとする。のそりと起き上がった彼女をやはりマダラは止め、渋々ながらも玄関へと向かっていった。
 話し声が微かになまえの耳に届く。襖は閉じられているためはっきりとは聞き取れない。自分も行ったほうがいいのではないかと考えていると、今度は別の音が外のほうから聞こえてくる。
 雨の音だった。しとしとと降り始めたと思ったら次第に雨粒が激しく打ちつけるようになり、なまえは慌てて布団から這い出た。
 雨戸を閉めなければ。そう思い縁側に繋がる障子を引いた。大きな雨粒が滝のように降り注ぎ、跳ねた水滴が家の中まで濡らしている。
 足元に視線を落としていたなまえは、ふと影がかかったことに気付いて顔を上げた。見知らぬ男と目が合い、驚きのあまり全身が硬直する。

「誰……」

 その男は声を絞り出そうとしたなまえの喉を鷲掴みにした。骨を折るほどの勢いで締めつけられ、息を吸うことさえできなくなる。
 殺される。なまえは苦しさに顔を歪めながら男の血走った目を見つめた。その目よりもずっと深い赤の瞳で。
 幻術をかけた隙にその手を振り解いたなまえは大きく咳き込みながら床へ倒れる。病み上がりの状態では一瞬気を逸らすのが精一杯だった。すぐに意識を取り戻した男が再び襲いかかろうとした時、部屋の襖が大きく開かれる。
 異変を察知したマダラが戻ってきたのだ。男に気付くと凄まじい勢いで掴みかかり外へ殴り飛ばした。床に蹲って荒々しい呼吸を繰り返すなまえを抱き起こし怪我の有無を確認する。
 なまえはマダラに支えられたまま庭へ視線を向けた。男は気を失ったのか倒れ込んだまま雨に打たれている。
 恐らく、上役の男が言っていた「里の同胞」だろう。計画が失敗したことを悟り自らの手でなまえの命を奪いに来たのだ。
 彼の仲間なら殺さねばならない。よろよろと立ち上がったなまえは箪笥から短刀を取り出し、男を見据えて鞘を抜いた。

「貸せ」

 意図を察したマダラが彼女の手からそれを奪う。制止の声も聞かず裸足のまま庭に出て、倒れている男の左胸に短刀を突き立てた。
 絶命した男から刃を抜いたマダラは話している途中だった扉間の部下を呼びつけて遺体の処理を頼んだ。状況が掴めない部下の男は戸惑いながらも承知してそれを担ぎ上げる。そんな彼に、肩を上下に揺らすなまえが屋根の下から声をかけた。

「今日、日が暮れた頃に伺うと扉間さんにお伝えください」
「駄目だ。そんな状態では行かせられん」
「いえ、必ず行きます」

 はっきりとそう断言したなまえ。これ以上事態がややこしくなる前に話をしておくべきだと判断したのだ。
 扉間の部下は「わかった」と頷き濡れた地面を蹴った。刺すような視線を背中に感じながらも気付かぬふりをして屋根を伝っていく。病院で預かっていたなまえの荷物と扉間からの伝言を届けに来ただけなのに、まさかこんな面倒に巻き込まれるとは夢にも思わなかっただろう。
 彼が去った後、マダラは険しい表情をしたままなまえに部屋へ引っ込むように言った。それから雨戸を立て、男を刺した場所に目を向ける。
 雨がこのまま降り続けばあの血もある程度は流されるだろう。マダラが止めを奪ったのは弱っているなまえに負担をかけさせないためであったが、もう一つ別の理由もあった。
 躊躇なく殺したものの、彼もまた里の上層部に属する人間だった。それを知っているのか否か、普段なら穏便に済ませたがるはずのなまえが明確な殺意を見せたのだ。これはただ事ではないと察し、彼女が一人で背負うことにならないよう先に動いたのである。
 話を聞かずとも事の真相がだんだんと見えてきて、マダラは今すぐにでも報復したい衝動に駆られた。だが、こんな状況ではまたいつなまえが襲われるかわかったものではない。そばにいて守ってやるのが最善なのだと自分自身に言い聞かせながら玄関に回って家に入る。
 なまえが拭くものを用意して待っていた。それを受け取った時、マダラはふと気が付いて彼女の首元へ視線を移す。首を絞められた跡が変色して痛々しく残っていた。

 日が暮れる頃、マダラはなまえを起こして支度を手伝った。少し痛むと言う首には薬を塗って息苦しくならない程度に包帯を巻いた。

「あの……マダラさんも一緒に来てくれますか?」

 体を冷やさぬようにと羽織を着せられたなまえは、寝室を出る前、恐る恐るといった様子で尋ねた。嫌だと言われてもついて行くつもりだったマダラは当たり前だと返した。
 もう行くことはないと思っていたあの場所へもなまえのためとあれば出向くのだ。なまえは安心したように目元を細め、マダラと共に家を出た。
 雨が降りしきる夜の里を二人は歩いた。一本の傘の下で時折ふらつきそうになるなまえをマダラが支える。だからまだ行かせたくなかったのだ。心の中で小言を零した。
 本部に着くとすぐに扉間が姿を見せ、ちらりとマダラを一瞥した。彼が同行してくることはわかっていたのだろう。ついて来るように言い二人を一階の部屋へ案内する。火影室のほうが適当だったが最上階にあるためなまえに配慮してのことだった。
 中では落ち着かない様子の柱間が待っていた。マダラを見て動きを止めたがすぐに取り繕ってなまえに椅子を用意した。大丈夫だからと遠慮するなまえをマダラが半ば強引に座らせる。
 柱間に扉間、そしてマダラが一つの部屋に集まることは今後二度とないだろう。その三人を前にしてもなまえは臆さず、今までに起きたことをありのまま話した。
 入口のそばでそれを聞いていたマダラは静かに目を伏せた。大方予想した通りの内容だったが、憤りを感じずにはいられなかった。
 うちはを追放するためにカガミを利用したこと。なまえを汚し、殺そうとしたこと。彼らの所業は何一つとして許せるものではない。
 柱間と扉間もそのあまりの事実に言葉を失っていた。そんな画策をしていたことに気付きもせず止められなかったことを酷く悔やむ。上役二人が殺されたのは当然の報いであるためなまえ達を咎めることはしなかった。

「あの……」

 話し終えたはずのなまえが思い詰めた表情で腰を上げた。その顔を見た扉間は彼女の言わんとしていることをそれとなく察する。恐らくこの場で言わせてはならないことだ。扉間は言葉を続けようとするなまえに被せるようにして話し出した。

「今日のところはもういい。今後のことが決まったらこちらから連絡する。それまでは体を休めておけ。……それでいいな兄者」

 なまえが口を挟む隙がないように柱間へと振る。柱間は戸惑いながらも肯定し、雨の中ここまで来てもらったことを二人に詫びた。
 俯くなまえをマダラが呼び、部屋を後にした。ドアが閉まる直前、その一瞬だけ柱間とマダラの視線が交わった。
 帰る途中、なまえが寄る所があると言って足を止めた。先に帰ってほしいという意味合いだったのだろうが、マダラは敢えて汲み取らず行き先を尋ねる。
 カガミの家だとなまえは答えた。無事な姿を見に行くという訳ではないことくらい聞かずともマダラはわかった。
 家を訪ねるとなまえはカガミの両親に事情を説明して深く頭を下げた。カガミの両親はなまえを責め立てることはせず、ただ神妙な態度で、今後息子とは関わらないでほしいと告げた。向こうからこちらを覗くカガミと目が合ったが、なまえは母親に視線を戻して「わかりました」と頷いた。子を心配する親の気持ちを考えると当然の対応だと思った。
 マダラは玄関の外で待っていた。話は一人でするとなまえが言ったからだ。やがて顔を俯かせて出てきた彼女を傘に入れ、言葉はかけずにゆっくりと歩き始める。

「なまえさん!」

 道に出た直後、カガミが家から飛び出してきた。傘も持たずに駆け寄ってくる少年に二人は足を止めて振り返る。

「母さん達に言われたことなんて気にしなくていいよ。なまえさんは悪くないんだから……」

 必死に両親の言葉をなかったことにしようとするカガミ。なまえは沈痛な面持ちをして見つめ返すだけで何も言わない。

「だって、修行はどうするの? なまえさん言ってたでしょ? できるようになるまで付き合ってくれるって」

 そう捲し立てられ、なまえは手の平を強く握り締める。うん。明日からまた一緒に頑張ろう。本当ならそう言って今すぐ抱き締めたかった。
 胸が張り裂けそうな思いになりながら「ごめんね」とだけ返す。カガミは、最早どうにもならないのだと悟った。

「……嘘つき」

 その言葉に反応したマダラをなまえは腕を掴んで止めた。カガミは足元へ目を落とし、唇を噛み締めて家に戻っていく。
 これでいい。たとえ恨まれたとしても自分のことに巻き込んで危険な目に遭わせるよりはずっとましなのだ。なまえは心の内で必死にそう言い聞かせた。
 帰宅して家に上がった途端、なまえは縋るようにしてマダラに体を寄せた。胸元に額を押しつけ、何かに耐えるように息をする彼女をマダラは優しく抱き締める。
 一度に多くのことが起きすぎたのだ。一人では抱えきれなくなったのだろう。安心させるようにゆっくりと髪を撫でながら、マダラは暗闇を見つめる。
 何故なまえばかりが苦しまなければならないのか。多くの恨みを買っている自分ならまだしも、なまえは悪い行いなどしてないはずなのに。
 この世界は何かがおかしいのではないだろうか。そんな漠然とした疑念が頭の中にふと浮かんだ。