「!何だ!?」

大きな爆発音と共に、爆風が周囲を襲う。何が起きたのかと全員が石田達の方に視線を向けると、そこには火柱に包まれたヤミーと彼を背に立っている石田の姿が。
爆発によってヤミーの居る床が抜け落ちたが、端を掴んだ事によって何とか下の階に落ちる事は免れた。

「くそ…ガキがぁ…っ」
「――下の階からでも聞こえてたよ。君がザエルアポロの言ってた"ヤミー"だろう?」
「あ"ぁ!?だったら何だってん…」
「気の毒だと思ってさ。僕がここに現れなければ、もう少し暴れられただろうに」

そう言うと、いつ発射したのか分からないくらい速く、石田はヤミーが手を掛けていた部分より手前に、矢を放った。放たれた矢は的確に床を崩した。

運が無かったね マーラ・スエルテ、同情するよ」
「くっ そぉおぉぉぉおオオォ」

石田が霊圧を無くし弓を手元に収めるのと同情に、ボロボロの身体のヤミーは叫び声を上げながら、勢い良く下に落ちていった。

「ここに来る途中の全ての階で柱を幾つか折っといたから、きっと地上まで一気に落ちられるよ」

どこまでも冷静な石田の姿に、一護は静かに彼の名を呼んだ。

「…石田」
「何だ、戦闘中に質問か?呑気な奴だ」
「何が訊きたい。僕は涅マユリの治療を受けた。阿散井よりを先に治療したから僕は遅くなった。地雷はその時持たされた。霊圧センサーの範囲内に破面が入ると爆発する。下の階の天井を削って埋めておいた」
「他に何か、疑問があるか?」

矢継ぎ早に言葉を紡ぐ石田に安心したのか、一護の口は微かに弧を描いた。

「…最初からギモンなんかいっこも無えよ。勝手にベラベラ喋りやがって…めんどくせー奴」

ザッと身体を翻し石田と織姫に背を向けると、表情は読み取れないが一気に真面目な声色を宿した。

「井上を頼む。俺の霊圧が井上の六花で防ぎ切れなくなったら、オマエが体張って守ってくれ」
「――言われなくてもそのつもりだ。…ところで黒崎」
「ん?」
「何故、破面の姿の日下部さんが此処に居る?それともあれは、日下部さんに似た破面か?」
「…いや、萌苗だ」
「そうか。じゃあ何故、日下部さんは破面になったんだ?」
「そ、れは…」

石田の質問に言葉を濁らせた一護。そんな一護を見かねた石田は、溜め息を吐いて苦笑いを零した。

「日下部さんは馬鹿じゃないから、どうせ君が日下部さんに何かしたんだろ」
「……そうだな」

背を向けたまま会話が進んでいる為、一護の表情は伺えない。だが、背中から感じ取れる気配は強気なものではなく、少し哀愁を放っている気がした。




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