一護に好きだと告げて、一護に好きだと告げられて、心の何処かにあった穴にカチリと何かが嵌ったような感覚があった。

けれど

『なら、一緒に行けば良いだろ!俺達の手で藍染を…!!』

その言葉で、嵌った何かは穴からすり抜けていくように失くなってしまった。途端に冷めていくのは、心の温度。

『みんなで一緒に』

そんな、一護の誰にでも優しい所が好きだった。でも、その優しさが今は痛くて…酷く虚しい。
私は我が儘だから、嘘でも良いから「俺達と」じゃなくて、「俺と」って…言ってほしかった。

嗚呼、一度に色んな事が起こり過ぎて思考が付いていけない。心も身体も痛くて張り裂けてしまいそうで、出来ればこのまま…黒腔の中で一歩も動く事無く、何も考える事もなくいられたら良いのに。

でも、それは出来ない。してはいけない。

だって彼が呼んでいる。強く強く、彼の声が身体中に響く。早く来いと言っている。だから私は、それに従わなくちゃいけない。
それに、私は……。

そこで思考を止め、足を止め、今此処には居ない彼の名を声に出さず呼んでから、心を決めて前を見る。
ただ暗かったはずのそこは明るく日が差し、懐かしいと思うほど久しぶりに見る空座町の偽物が、眼前に広がっていた。




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ココロ

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