藍染を打ち抜いた先には、浦原喜助が居た。
いつものように冷静な瞳を携え藍染を見ている横には、意識を失ったままの萌苗が横たわっている。

「…!萌苗!」
「安心して下さい。気を失ってるだけっス」
「萌苗を此処まで運んでくれたのか。ご苦労な事だ」
「…お久しぶりっス、藍染サン。随分、珍しい格好っスね」
「何事も進化の途中というのは醜いものだ」
「…誰も醜いなんて言っちゃいないっスよ。崩玉と……融合したんスね」
「“融合”では無い。“従えた”と言って貰おうか。
君が、御し切れなかった崩玉をね」

瞬間、浦原の目が微かに細められた。

「御し切れなかった…。…確かにそうっス。当 時 は ね」
「当時は?実に明解な負け惜しみだ。いや、それが負け惜しみかどうかすら、どうでも良い事」
「既に」

そう言葉を紡ぎ、一呼吸置くか置かないかの間に、藍染は浦原の心臓を己の斬魄刀で貫いていた。
その速さは、誰の目にも確認出来なかったほどだ。

「…ぐ…」
「君は崩玉を御する機会を、永遠に失っているのだから」

言い終わるや否や、浦原の身体がパンッと弾けて割れた。代わって背中に手を置かれる感触に振り向けば、浦原の姿。
それは以前、ヤミーとウルキオラが前世に降り立った時に、彼が仕掛けたものだと自分の記憶に辿り着くが、浦原が縛道を唱える方が早かった。

「“六杖光牢”」

唱えるが速いか、光で出来た六つの短い光が藍染の身体を抑え込む。
しかし、藍染は余裕の表情を崩さない。

「そういえばヤミーの戦闘記録にそんな道具が入っていたな。今更そんな小細工は使うまいと油断していたよ。
それで、この程度の縛道で私を縛ってどうするつもりだ?」
「こ の 程 度 の 縛 道 ?どこ迄が、こ の 程 度 っスか?」
「縛道の六十三“鎖条鎖縛”!!縛道の七十九“九曜縛”!!」

浦原が連続で縛道を唱えると、霊圧の何重もの鎖が藍染の身体を更に縛り、黒い光が彼の周りと胸元に張り付いた。

「く………」

それでも浦原は止まる事なく、杖を持った手を前に掲げた。すると、浦原の周りを光の刃が囲い始める。

「千手の涯
届かざる闇の御手
映らざる天の射手
光を落とす道
火種を煽る風
集いて惑うな
我が指を見よ」
「!」
「光弾・八身・九条・天経・疾宝・大輪・灰色の砲塔
弓引く彼方
皎皎として消ゆ」
「そんな鬼道を使わせると思うか?こんなもの…」
「遅い」

「破道の九十一“千手皎天汰炮”」





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