いつからだろうか、一緒に帰らなくなったのが当たり前になったのは。

はじめは、いつもの様に萌苗から「一緒に帰ろう」と誘ってきて、けれどいつ虚退治が入るか分からないからと、何かと「用事があるから」と言って断っていた。そしたら萌苗が一瞬悲しそうな顔をして、でも直ぐに「用事があるならしょうがないね」といつも通りに笑って。それに胸が痛んだが、そんな小さな事に時間を割いていられないと、眼を逸らした。

それが何日か続くと、次第に萌苗から声を掛けられる事もなくなった。毎朝登校してたのも、いつの間にかなくなって。大怪我をして心配されても、迷惑を掛けたくないと何でもないとシラを切って。
萌苗の辛そうな顔を見る度に辛くなったけど、同時に何処かホッとした自分も居た。これで、萌苗を此方側の世界に巻き込む事はなくなった、と。

でもそれが、萌苗を敵側…俺達と逆の立場に向かわせる事になるなんて、思ってもみなかった。

あの時、俺が一緒に帰ると言っていれば、怪我の理由を…俺達の周りで起こっている事を話していれば、萌苗と敵対する事は無かったんだろうか。


こうして、見るに耐えないほどボロボロなった萌苗を見る事は無かったんだろうか。




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