突如萌苗の傍に現れた一護。彼が来た事で周りの霊圧が和らいだのか、倒れていた皆が顔を上げ視線を一護に向ける。そんな中で、一護は自身の足元に一心を降ろした。そして視線を真っ直ぐ藍染に向け、そのまま意識を失いぐったりとしている一心に感謝の意を告げた。
「…ありがとな…親父」
冷静なままの一護。その姿は以前と違い死覇装はボロボロ、足は素足で髪は幾分か伸びている。一護の足元に倒れている一心の髭も伸びていて。
この短時間での急激な変化に、周りは驚きを隠せなかった。
「…い……一護…か……?一護だよな…?あれ……。なんで髪伸びてんだ…?それに…髪のせいかな…。なんか…ちょっと背も伸びてる気がしねえか…?」
ケイゴが誰ともなく話しかけてる間に、一護は視線を空に彷徨わせる。そして、ある一点を捉えた所で瞳が少し細まった。
「…良かった、遊子と夏梨は無事みてえだ………」
そうひとりごちに呟くと、次にたつき達に視線を移した。
「!!」
「…たつき、ケイゴ、水色、本匠、…観音寺」
一人ひとりの名前を呼びながら眼で姿を確認していく。最後に一人、パンチパーマでニヤついた顔の死神が目に入り、そこでピタリと一護は止まった。
「…イモ山さん」
「誰だ!!!車谷だ!!車谷善之助!!わからんならせめてわらんて言ってくれ。カンで人の名前を呼ぶな!!」
彼の名前を自分は知らない。ならば、当てずっぽうで呼んでみよう。そんな一護の思考が簡単に読み取れるようだ。
おかげでイモ山さん基、車谷から盛大なツッコミを食らった。が、気にする事無くそのまま一護は話を進めていく。
「…みんな、そこに居てくれ。そのまま、じっとしててくれ」
「…ど…どういう意味だよ…?一護…」
焦りを見せるケイゴの隣でたつきは一言も発することなく、驚きの表情のまま、ただ一護を見つめていた。
−何も、感じない−
−おかしいよ。あいつからは押し潰される程の力を感じるのに、一護からは何も、感じないなんて−
たつきの思考が言葉となって外に漏れる事はなかった。
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