一護達が虚圏の『虚夜宮』へ向かっているのと同時刻、萌苗と織姫は、『虚夜宮』の広間に着いていた。
「藍染さん、織姫を連れてきました」
萌苗が軽くお辞儀をして言えば、自分達より遥か高みにいる藍染は頬杖を付いた状態で微笑んだ。
「ご苦労だったね、萌苗。そして―――ようこそ、我等の城『虚夜宮』へ」
声を掛けられた織姫は、緊張した面持ちで上を見上げる。藍染は相変わらず微笑をたたえたまま彼女を見据えていた。
「…「井上織姫」……と言ったね」
「…はい…」
「早速で悪いが、織姫。君の能力を、見せてくれるかい」
途端に上がった藍染の霊圧に、織姫は自分の力が抜けたのが分かった。
「…は…、…い…」
(…なに…、今の…。体中の力が吸い出されるみたいな…)
力が入らなくて目が虚ろになる。そんな織姫を見て、これからの展開を予想してしまって、萌苗は踵を返した。
藍染はいち早くソレに気付いき、萌苗に声を掛ける。
「…萌苗、何処に行く気だい?」
「…少し疲れたので、部屋に戻ろうかと…」
肩越しに藍染を見ながら萌苗が喋れば、依然薄笑いを浮かべたまま、藍染は萌苗を見ていた。
「駄目だよ萌苗。いくら君でも、そんな我が儘は通させない。最後までちゃんと見ているんだ……良いね?」
途端萌苗に向かってググッと藍染の霊圧が押し迫ってきた。いくら萌苗は慣れてるとは言えど、これだけの霊圧をぶつけられては、立っていられなくなる。
―きっと織姫に当てた霊圧より、遥かに強い霊圧だ―
そう思いながら、萌苗はガクンと膝と手を床に付け、強大な霊圧に耐えた。
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