ウルキオラの案内で虚夜宮の一室に通された織姫は、床に腰をおろし、天井付近にある小さな窓から月を見上げていた。

(「ここでおとなしくしてろ」って言われたけど…なんにもすることないなあ…。…おなかすいた…)

そう思った時、ふと織姫は先程の悲惨で強烈な出来事を思い出した。

(…あたし…、本当に ここに来て良かったのかな…。あたしが あの人達の傷を治すことで 戦いの渦が大きくなるんじゃないのかな…)

そう思った心を、首を振る事で消し去った。現世に居る一護やたつきの顔を思い浮かべれば、織姫の瞳は途端に強い意思を持つ。

(…ううん、でも…、今はどんなことをしてもあたしに利用価値があると思わせなくちゃいけない。せめてみんなの戦いの準備が整うまで―――…)

その時、腹の底から響くような大きな霊圧の揺れが、織姫を襲った。揺れを感じたのは織姫一人だけでは無い、凄まじいほどの霊圧は、虚夜宮全体に響き渡っていた。

「…あんな遠くに居るのに、よくここまで響く程の霊圧を放てるわね。ここまで来ると尊敬に値出来るんじゃないかしら」





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